スパコンで宇宙の天気予報をリアルタイムに──NICTのSX-8R

宇宙空間が人類の生活圏に入りつつある中、宇宙空間の“天気予報”を担うシステムとしてSX-8Rが動き始めた。独立行政法人情報通信研究機構の「リアルタイム地球磁気圏シミュレーションシステム」に用いられている。

» 2007年06月04日 17時52分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 NECは6月4日、同社のスーパーコンピュータ「SXシリーズ モデルSX-8R」6台(最大ベクトル性能:1.536テラFLOPS)を独立行政法人情報通信研究機構(NICT)に納入したことを明らかにした。「リアルタイム地球磁気圏シミュレーションシステム」で用いられる。

 同システムは、太陽活動の活発化による地球周辺の磁気圏の乱れや磁気圏内の擾乱などの予測を目的に、NICTと九州大学が共同で開発したもので、今回のSX-8R納入以前は、同じくNECのSX-6が用いられており、そのときのベクトル性能は約320GFLOPSだったため、約5倍の性能向上が図られている。

 地球から約153万キロ離れた場所にある太陽風観測衛星から得られる太陽風の観測データを基に地球磁気圏全体の解析を行う。シミュレーションと同時進行で可視化(映像化)も行われており、可視化のためのソフトウェアとしては、NECの可視化ライブラリ「RVSLIB」が用いられている。可視化されたものは、宇宙天気情報センターで見ることができる。

可視化された結果はSWCのサイトで見られる

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