フォーティネット、10GbE対応機種の投入で「大企業でもUTM」

フォーティネットジャパンは、パフォーマンスをさらに強化したUTMアプライアンスの新製品「FortiGate-3810A」および「FortiGate-3016B」をリリースした。

» 2007年06月13日 21時30分 公開
[ITmedia]

 フォーティネットジャパンは6月13日、Interop Tokyo 2007に合わせ、UTM(統合脅威管理)アプライアンスの新製品「FortiGate-3810A」および「FortiGate-3016B」をリリースした。

 同社のFortiGateシリーズは、ファイアウォールやVPNに加え、IPS(不正侵入防御)やゲートウェイでのアンチウイルス、アンチスパムといったセキュリティ機能をひとまとめに提供するUTM製品。アプリケーションASIC(コンテンツプロセッサ)に加え、上位機種で搭載されているネットワークASIC(ネットワークプロセッサ)によって、高いパフォーマンスを実現する点が特徴だ。

 新製品は、VoIPや動画像といった広帯域を必要とするアプリケーションの普及に伴い、ネットワークトラフィックが大幅に増加していることを背景に、いっそうパフォーマンスを追求している。

 FortiGate-3810Aは、シャーシ型ではなくスタンドアロン型で初めて10ギガビットイーサネット(10GbE)に対応したモデル。シングル幅、デュアル幅それぞれ2つの拡張スロット(AMCスロット)を備えており、ここに2ポートの10GbEモジュールを追加することが可能だ。スループットはファイアウォールが標準で7Gbps(AMCモジュールで拡張時は26Gbps)、VPNは1Gbps(同16Gbps)、IPSは4Gbps。アンチウイルスでも500Mbpsのスループットが可能という。

フォーティネットジャパンのブースに展示された新製品「FortiGate-3810A」

 一方FortiGate-3016Bは、VoIPなどショートパケットが多く発生する通信でも性能を落とさない点が特徴という。16個搭載しているギガビットイーサネットを4個ずつグルーピングし、それぞれに新世代のネットワークプロセッサを割り当てることで処理を高速化した。スループットは16Gbps(AMCモジュールで拡張時は20Gbps)、VPNは4Gbps(同7Gbps)、IPSが2Gbps、アンチウイルスは300Mbpsという。

 いずれの製品も大企業やマネージド型セキュリティサービスを提供するサービスプロバイダーをターゲットとしており、オプションで「バーチャルドメイン機能」が利用できる。最大で250のバーチャルドメインを設定し、それぞれに異なるセキュリティポリシーを提供できるため、複数の顧客にセキュリティサービスを提供するプロバイダーや部門ごとに異なる運用ルールを採用している企業などでも、柔軟な運用が可能という。

 フォーティネットではFortiGate-3810Aなどの投入により、大企業でもファイアウォール専用機に代えてUTMを利用する時代が来ると強調。UTMによるセキュリティレベルの向上やバーチャルドメイン機能などをてこに、既存ファイアウォールの集約/リプレースのほか、学術・研究機関やサービスプロバイダー向けに製品を展開する方針だ。

 価格はFortiGate-3016Bのベースユニットが2万9995ドルから。いずれも2007年第3四半期より出荷を開始する予定だ。

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