世界最小サイズのRDBMS「DeviceSQL」を発表、エンサーク

エンサークは組み込みRDBMSとしてはフットプリントが世界最小となるDeviceSQL3.1を発表した。

» 2007年06月20日 20時01分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 エンサークは6月20日、組み込み向けリレーショナルデータベースエンジンとしてはフットプリント(実行に必要なメモリ容量)が世界最小サイズとなる最新版製品「DeviceSQL Framework R3.1」を発表した。

 DeviceSQLは、携帯電話やカーナビ、家電製品などの組み込み向けに特化し、DBエンジンのフットプリントサイズが24〜50キロバイトと、他社に比べて少ないメモリ容量で実行させることができる。DeviceSQL Frameworkは、DB機能とデータ処理機能で構成される。

 製品の特色について説明した木村好徳マーケティングプロダクトマネージャは、「データを高速処理するパフォーマンスと最小メモリサイズを追求し、DBシステムの開発効率の向上を果たす製品」と話す。また、オプション機能によってサーバシステムなどテラバイトクラスのDB運用にも耐える拡張性を持ち、マルチOS、CPUに対応するという。

データ処理の機能の大部分をDeviceSQLに持たせることで、アプリケーション開発の効率化とコストダウン、期間短縮が行えるという

 DeviceSQLの言語は、OracleのPL/SQLに準拠しており、DeviceSQLのデータ処理機能でC、C++、Javaへのエクスポートを行うことができる。これにより、アプリケーション開発者は最小限のSQL知識だけでDBとの連携機能をアプリケーションに持たせることができ、「開発効率を高められる」(木村氏)としている。

 バージョン3.1では、マルチプロセス、マルチスレッド処理と通信レイヤへの対応が図れた。複数条件による検索や検索の割り込み、中断、再開の処理を効率的に行うことが可能となったほか、従来はアプリケーション側に実装する必要があった排他制御機能をDeviceSQLから行うことができるようになった。

リモートの音楽プレーヤー(右)にある楽曲データをLANでつながれたローカルのプレーヤーから検索するデモンストレーションが行われた

 通信レイヤ対応では、ODBCやJDBCを独自ノードに変換し、有線や無線のネットワークを介してリモート上のデバイスとデータを共有することができるという。例えばDeviceSQL3.1が搭載されたポータブル音楽プレーヤーで、外出先からネットワーク経由で自宅のPCにアクセスし、PC内の楽曲データを検索するといった利用が可能になる。

 DeviceSQLは、国内では京セラが製造するPHS端末(通称:京ぽん)やIPセットトップボックス、DSL集約装置などに採用され、これまでに500万ライセンスが出荷された。価格はSDKが最小構成の場合で1ユーザー当たり110万円から。初期導入費用は構成にもよるが300万〜400万円ほどになるという。

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