「SOA and Beyond」── 絶えず革新を続けるBEABEA Industry Analyst and Media Summit 2007 APAC Report(1/2 ページ)

SOAのリーダーであるBEAは、絶えず革新を続け、基盤技術の改善や周辺の技術の追加によって、よりパワフルなSOAソリューションを実現する。

» 2007年06月28日 07時30分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 BEA Systemsは7月27日、インドネシアのバリ島で「BEA Industry Analyst and Media Summit 2007 APAC」を開催し、Web2.0の技術などを取り込みながら絶えず革新し続けているBEAのSOAソリューションをアジア太平洋地域(APAC)のプレスやアナリストにブリーフィングした。同社は昨年、初めてシドニーで同様のカンファレンスを開催している。

 この6月、InfoWorldがとりまとめた米国のCIOに対する調査結果では、向こう12カ月で利用を検討するだろうSOAソリューションのベンダーとして、51%がBEAの名前を挙げた。SOAの方向性を示すリーダーとしても67%がBEAと答えており、いずれもIBMを抑えている。

 SOAのリーダーとして、通信や金融で特に強みを見せるBEAだが、この地域でもそれは変わらない。アジア太平洋地域でトップ10の通信事業者はすべて同社の顧客だ。今回のカンファレンスでは、インドネシア最大の携帯電話事業であるTelkomselがユーザーセッションを行う。

 BEAはアジア太平洋地域を市場としてのみならず、研究開発の拠点としても投資を強化しており、バンガロールや北京などに製品開発の拠点を置き、技術者も350人以上に増やしている。アジア太平洋地域のGMを務めるステーブ・オーヤン氏によれば、北京では中国市場向けの製品開発はもちろん、Tuxedoについてはグローバルな製品開発を担っているという。

 なお、日本からは出光興産が参加し、事業構造改革に伴うシステム再構築にBEAのSOA製品を活用している事例を紹介する(別記事で掲載予定)。

高性能かつ高可用性がBEAのDNA

 「BEAは創業以来十数年、ミドルウェアにイノベーションをもたらし続けてきた。高性能かつ高可用性を提供してミッションクリティカルなビジネスを支えるというのがBEAのDNAであり、SOAの技術やソリューションは、さらにビジネスアジリティをもたらす」と話すのは、オープニングセッションに登場したマーケティング担当上級副社長のロザンナ・サコーニ氏。

マーケティングを統括するサコーニ上級副社長

 2005年、BEAは新しいソフトウェアカテゴリーである「サービスインフラストラクチャー」をぶち上げ、そのためのSOAソフトウェアファミリーである「AquaLogic」を発表した。

 AquaLogicファミリーは、いわゆるエンタープライズ・サービス・バス(ESB)と呼ばれている「AquaLogic Service Bus」をバックボーンとし、データを統合する「AquaLogic Data Services Platform」や分散コンピューティング環境をポリシーベースで管理する「AquaLogic Enterprise Security」を基盤に組み込んでいる。

 こうした基盤の上でビジネスプロセスを統合するBPM製品やユーザーインタラクションを統合するポータル製品を矢継ぎ早の買収によって手に入れたBEAだが、ユーザーの期待に応える中でさらに新たな課題も見つかっている。

 例えば、「人」のサイロ化だ。旧態依然とした情報システムは、業務ごとのサイロに分断されてしまっている。SOAは、こうした既存資産を生かしながらサービス化し、それらを組み合わせていくことで変化に強いシステムを構築するアプローチだが、実は「人」も同様にサイロ化しているのだ。

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