いまLinuxは盛り上がっているか?――動き出したLinux市場(1/2 ページ)

Linuxをめぐる動きが、企業や官公庁向け市場を中心ににぎやかになってきた。有力ベンダーがここにきて相次いで新たな事業戦略を展開し始めている。

» 2007年07月18日 07時00分 公開
[松岡功,アイティセレクト編集部]

潜在需要はまだまだこれから

 5月30日から6月1日までの3日間、東京ビッグサイトで毎年恒例の「リナックスワールド」が開催された。Linux関連では国内最大規模の同イベントには、今回も関連企業約50社が出展し、40を超えるセミナーが行われ、Linuxおよびオープンソースソフトウェア(OSS)に関する最新の技術や製品、ソリューションを目の当たりにすることができた。

 しかし、業界関係者によると、「今年は有力ベンダー数社が出展しなかったこともあって、今ひとつ盛り上がりに欠けた」との声も。リナックスワールドに限らず、こうした総合イベントが時代に合わなくなってきている風潮はあるが、Linuxそのものは間違いなく普及期に入っており、派手に登場して一躍脚光を浴びた“お祭り騒ぎ”の時期は過ぎたといえる。

 同イベント事務局によると、「調査データでは、サーバ向けLinuxの導入率は国内の企業・公的機関においてすでに4割近くに達しており、未導入のところについても半数近くが導入を検討している」と分析しており、潜在需要はまだまだこれからだと見ている。

LinuxおよびOSSに関する最新の技術や製品が一堂にそろった「LinuxWorld Expo/Tokyo 2007」

一大攻勢に打って出たレッドハット

 そんな潜在需要を掘り起こそうと、ここにきて有力ベンダーが相次いで新たな事業戦略を展開し始めている。

 まずはLinuxディストリビューション最大手のレッドハットが、4月18日に最新版OS「Red Hat Enterprise Linux5(RHEL5)」、5月23日にはOSSベースのミドルウェア製品群を発表した。

 最新版OSでは主に大規模システム向けの機能を強化。サーバ1台で複数のOS環境を動作させる仮想化ソフトやストレージ仮想化機能、複数台のサーバを接続して処理を分散するクラスター機能などを装備した。とくに仮想化ソフトを使うことでサーバの利用効率が4―5倍高まるため、サーバの導入台数を減らせるのが最大の売りだ。

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