話しやすく、聞きやすく、見やすく、ナビも付いたらくらくホンIV

富士通は8月に発売する「らくらくホンIV」を公開した。通話のしやすさや画面の見やすさを追求し、ナビ機能も追加された。

» 2007年08月09日 18時19分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 富士通は8月9日、中高年層を中心に人気を集めるNTTドコモ向けの最新携帯電話端末「らくらくホンIV」(F883iES)を発表した。通話・ディスプレイの見やすさといった携帯電話の基本機能をさらに追求し、8月中旬から販売を開始する。

alt らくらくホンIVの前面と背面。2.6インチQVGA液晶の採用で文字サイズは20%拡大して見やすくなる。恒例の歩数計機能では脂肪の燃焼量も分かるようになった

 らくらくホンシリーズは、大きな文字表示やボタン、通話やメールなどの操作がシンプルなことから、携帯電話の操作が苦手とされる中高年層を中心に人気を集める。富士通はシリーズ2代目の「F671i」から開発を手がけ、これまでに6機種を展開。5月には累計販売台数が1000万台を突破する同社のベストセラー端末の1つとなり、現在稼働する端末も650万台になるという。

佐相秀幸経営執行役

 同社の佐相秀幸経営執行役(モバイルフォン事業本部長)は、らくらくホンIVについて「ユニバーサルデザインをコンセプトに“見る、聞く、話す”の基本機能にさらに進化させた」と話す。同社は7月から生産拠点の拡大に着手し、月産100万台規模の生産能力を確保した。

 メインディスプレイは2.6型QVGA液晶を採用し、前機種F882iESと比べて表示面積、文字サイズが20%拡大した。また表示性能は輝度300カンデラ、コントラスト比1:500を実現し、直射日光下でも十分な視認性を確保している。

歴代らくらくホンの視認性比較。らくらくホンIV(中央)は、画面が先代モデルよりもやや見やすくなった

 通話面では、受話側でノイズキャンセラと「スーパーはっきりボイス」「ゆっくりボイス」の3機能を、送話側で「ダブルマイク/ノイズキャンセラ」「はっきりマイク」の2機能を備えた。これらの機能は自動的に作動(オフも可)して、ユーザーが意識することなく快適な通話を実現するという。

 ダブルマイク/ノイズキャンセラは、話し声を拾う通常の指向性マイクとは別に、周囲の音声を拾う無指向性マイクを搭載し、2つのマイクで拾った音声を処理することで雑音の無いクリアな音質を確保する。スーパーはっきりボイスでは話し相手の声質を解析し、自然に聞こえるかたちで音量や明瞭度合いをアップさせる。

 らくらくホンIVで新たに利用できるサービスの1つが、一般の携帯電話ではおなじみのGPSナビゲーションだ。駅前探検倶楽部が提供するサービスを利用して、ユーザーは乗り換え案内や施設案内、地図検索、周辺検索の4つの機能を無料で利用できる。

 また、検索の際にはアドバンストメディアの音声認識技術を利用して声だけで目的地までのルートや現在地周辺の施設を検索することができるようになっている。

 このほかにも、自動的に手ブレや明るさを補正するカメラ機能や、現在地情報を通話の際に自動的に読み上げたり、メールに添付できる機能、老若男女を問わず人気の脳を鍛えるゲームなどが新しく搭載された。

 らくらくホンIVの発売に合わせて、グリットマークはらくらくホンIVに接続して利用するスキャナツール「モバイルGスキャナー」を9月1日に発売する。価格は1万2800円を予定する。

モバイルGスキャナーで絵柄を読み取ると、関係するアプリの立ち上げや文字、メッセージ文字が入力できる

 モバイルGスキャナーは、「ドットコード」を呼ばれる小さな点が埋め込まれている文字画像を読み取るもの。例えば、ドットコードが埋めこまれたメールを送る人間の絵柄を読み取ると、らくらくホンIVで自動的にメール作成画面が立ち上がるという具合だ。アプリケーションを起動させるだけでなく、モバイルGスキャナーで読み取ったテキスト文字や「おはよう」「こんにちは」とメッセージ文字の入力も行える。

 同社では、携帯電話の操作が難しい障害者や高齢者を中心に携帯電話の利用拡大を目指すとしている。

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