資格取得が人生を変える、かも女性システム管理者の憂鬱(4/4 ページ)

» 2007年09月06日 07時00分 公開
[高橋美樹,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

 ここにまで頑張ってきたというのに、大ショックである。実は、仕事でOracleに触れる機会がないわたしは、ここまで1度もOracleに触らないまま参考書と問題集だけで合格してしまっていた。そういう資格ホルダーに対して、最高位を与えないための制度改革であることは明らかだった。あと残り1科目に合格しても、新しい制度ではまたもゴールド扱いだ。

 社内の制度は難易度に合わせて改定されるため、新制度のゴールドも以前のプラチナと同様の賞金40万円がもらえることが分かり、ひとまず安心したが、やはり見えっ張りのわたしはプラチナという響きにあこがれがあった。

 そこで、残された1つの道、1カ月以内に残り1科目「パフォーマンスチューニング」に合格する道を目指し、いちかばちか受験してみたが、やはり惨敗に終わった。その2カ月後にようやく合格して、晴れて新しいゴールドとなったところで、わたしの資格取得挑戦は終わった。

お金目当てが生み出す美しい誤解

 「資格なんて何の役にも立たない」――そういう人は多い。実際わたしも仕事ではSQLが書けるようになったくらいで、その後も引き続きOracleとは何の縁もない世界で暮らしていた。しかし、約2年をかけて必死で勉強してきた成果を、遠い場所から見守っていた存在があった。誰あろう、それは人事部だった。

画像

 当時のわたしは、社員教育の企画・運営に携わりたいという希望を持っていたが、システム管理に携わる社員がスタッフになった前例などなかったため、ハナからあきらめていた。しかし、毎期毎期新しい資格取得に挑戦しているわたしの姿が、教育に並々ならぬ情熱を注いでいるという美しい誤解を生み、奇跡を呼んだのだ。

 わたしは、いきなり人事部へ異動となった。たとえ一時金目当ての資格取得であっても、知識のみの詰め込みでスキルが伴わなかったとしても、勉強したという事実がキャリアの転換点となり、長年の夢がかなったのだ。こんなケースはまれだろう。異動の辞令を受ける間、芸は身を助けるとはよく言ったもんだとしみじみ実感していた。

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ