NTTドコモ、905iと705iシリーズを一斉発表これが携帯電話の集大成(1/2 ページ)

NTTドコモが、新製品「905i」および「705i」シリーズ全23機種を一斉発表した。「世界で使える905i」「個性で選ぶ705i」をコンセプトに、905iは11月26日から、705iは2008年1月から発売する

» 2007年11月01日 21時27分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 NTTドコモは11月1日、携帯電話冬モデルとなる「905i」シリーズ10機種と、「705i」シリーズ13機種を一斉に発表した。携帯電話端末の割賦販売制度導入を控え、従来は個別だった「90x」シリーズと「70x」シリーズの発表を同時に実施。「今後の方向性をユーザーへ早く伝えるため」(辻村清行常務)だとしている。

辻村清行取締役常務執行役員プロダクト&サービス本部長

 まず、ドコモの2007年度下期のサービス戦略について説明した辻村氏は、「ドコモは、多種多様なニーズに応える新商品の投入、端末購入代金の支払い方法が選べる仕組み、今夏からの新料金プラン導入、使いづらい場所を徹底的に無くすサービスエリア拡充に、全社で取り組んでおり、新製品はこれらの取り組みから自信を持って提供できるものになった」と話した。

ユーザーのニーズ調査とヒアリングの結果から新端末のテーマを決定したという

 905iおよび705iシリーズでは、「世界」「映像・エンタメ」「便利」「安心」の4つのキーワードを設定。「(ユーザーが)欲しい携帯電話がきっと見つかるラインアップを準備できた」(辻村氏)と、両シリーズ合計で23機種、カラーバリエーションは75色を取りそろえた。

世界では“当たり前”の国際ローミングを標準に

 905i、705iシリーズは、全機種で3Gの国際ローミングに対応した。さらには905iシリーズの8機種、705iシリーズの3機種でGSMの国際ローミングにも対応する。ドコモの国際ローミングサービスは、11月1日現在で3GとGSMを合わせて音声通話が154、iモードが105、テレビ電話が40の国や地域で利用できるようになった。日本人の海外渡航先の99.8%をカバーする(音声通話の場合)。

alt 国際ローミングが905iシリーズ以降で標準機能化され、世界ではおなじみの国際ローミングがようやく日本でも広がりそうだ

 「当社の調べでは、6割以上のユーザーが国際ローミング対応を希望した。海外でも自分の端末と電話帳データを使って会話ができるという魅力を多くのユーザーに感じてもらうために、905iシリーズでは標準サービスにしている」(辻村氏)

 また、905i、705iシリーズ全機種で、交通や天気などの海外情報を入手できる「海外便利サイト」をiメニューに追加したほか、渡航先の現地情報を入手できる「グローバル版iエリア」を2008年2月から開始する予定だ。905iシリーズの7機種には、英会話翻訳のiアプリ「しゃべって翻訳」がプリインストールされ、音声入力での英語と日本語の翻訳ができる。

「便利」のための新サービス

 両シリーズの特徴の1つが、ワイドVGAのディスプレイを搭載する端末数の大幅な増加だ。今回は、ワイドVGAの高解像度表示を生かすアプリケーションとして、905iシリーズ全機種と705iシリーズの10機種で利用できる「地図アプリ」が提供される。

 地図アプリは、ドコモとゼンリンデータコムの提携から開発され、「歩行ナビ」や「歩行+鉄道ナビ」「自動車ナビ」の各機能を搭載する。さらには、建物や道路などの画像を3D表示する機能が搭載され、全国の政令指定市にある主要交差点の大部分をカバーするという。

alt 「ドコモ+ゼンリンデータコム」体制は、「KDDI+ナビタイム」体制を意識したサービスや機能を開発。特に「歩行+電車ナビ」では、歩行中だけでなく乗車中もGPS情報を補足し、「もうすぐ乗り換え駅です」といった、気のきいた(?)案内をしてくれる

 地図ナビは、ドコモの位置情報を利用する各種サービスの地図プラットフォームに位置付けられ、クーポン配信の「ToruCa」サービスや子供の居場所を通知する「imadoco」サービス、携帯クレジットの「DCMX/iD」、iモードサイト、端末のアドレス帳データとの連携が可能だ。「携帯電話は“ゼロセンチのメディア”とも言われ、日常的に利用するサービスをもっと便利に使えることを目指した」と、辻村氏は地図アプリの導入目的を説明した。

 ワイドVGA環境は表示可能な情報量が増えるものの、ディスプレイサイズの小さな携帯電話では、表示文字がつぶれてしまったり、QVGAフォントが粗く表示されることがある。このため、両シリーズでは、機能メニューのシンプル化や文字サイズの拡大設定、320dpi相当の滑らかなVGAフォントを採用する。「ユーザービリティにも十分に配慮した。特にフルブラウザでの表示をくっきりと見やすくしている」(辻村氏)という。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ