「オープンであることが新しい」――Android開発ディレクター・ルービン氏

米Googleが11月5日に発表した携帯向け包括的プラットフォーム「Android」。その開発ディレクターを務めるアンディ・ルービン氏が都内で行われたVideoConferenceに登場。Androidの詳細を説明した。

» 2007年11月06日 13時55分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 グーグルは11月6日、米Googleが11月5日に発表した携帯向けの包括的プラットフォーム「Android」のプレス向け発表会を開催した。米Googleで携帯プラットフォーム部門のディレクターを務めるアンディ・ルービン氏がAndroidの詳細を説明した。

image 海外からAndroidの近況を説明するルービン氏

 「ただオープンであることが新しい」――ルービン氏はAndroidの特徴を一言で説明した。Androidは、携帯向けのOSやミドルウェア、ユーザーインタフェース、アプリケーションなどを含むオープンソースのプラットフォーム。「Androidの素晴らしいところは、日々生成されるインターネットの機能やアプリケーションと携帯電話をつなげるブリッジの役割を果たすこと」(ルービン氏)に特徴がある。

 Androidにより、モバイル通信事業のみが独占する開発プラットフォームは必要なくなる。そのため企業は独自のプラットフォームで独自仕様のアプリケーションや機能を作り、それをマッシュアップしてコンシューマーに提供できる。「サードパーティがマッシュアップをはじめとするさまざまな開発ができるモジュラーの仕組みになっている。これは(数ある開発プラットフォームの中で)Androidだけができるもの」とルービン氏は自信を見せる。

 なぜGoogleが携帯電話のOS向けプラットフォームの開発に着手したのか。ルービン氏は「Googleの創設期からPC向けプラットフォーム開発を行っていたが、今や開発の対象は携帯電話に移行している。(現状の携帯電話向けOS開発における)ギャップをこのプラットフォームでつなぐことが必要」とし、PCにおけるプラットフォーム開発と同じ流れが携帯電話で起きていることを説明した。

 この取り組みは、Googleのミッションである世界中の情報を体系化し、アクセス可能で有益なものにすることにも通じるという。「携帯電話の開発にオープンプラットフォームを提供することで、コンシューマーに多くの選択肢を提供できる」(同氏)

 Androidの運用について同氏は、「今後2、3年は携帯電話市場に投資する」としたものの、将来的には「今後はメディアプレイヤーやナビゲーションシステム、セットトップボックス向けのプラットフォーム製品の開発も視野に入れている」と述べた。

ドコモやKDDIが軒を連ねるアライアンス

 Androidの開発には、半導体メーカー、モバイル端末ベンダー、モバイル通信事業者、ソフトウェアメーカー、そしてGoogleを含む34社がアライアンス「Open Handset Alliance」を組む。

 アライアンス企業としてNTTドコモやKDDIといった企業が日本から名乗りを上げた。日本の携帯電話市場に対しルービン氏は、「新しい技術に関心が高く、日々迅速に変化している。日本は新たな試みを行ったり、新しいものを求める意識が高い」とコメントした。また私見であると前置きをした上で「(Googleが)インターネットで培ったケイパビリティを携帯電話に移行させるために(これらの企業は)役割を果たす」とした。

 このアライアンスに参加を表明していないソフトバンクモバイルはOpen Handset Allianceへの参加について、「現段階で正式に決定していることはない」(同社広報部)とコメントしている。

 Open Handset Allianceの参加企業は、Aplix、Ascender Corporation、Audience、Broadcom、China Mobile、eBay、Esmertec、HTC、Intel、KDDI、Living Image、LG、Marvell、Motorola、NMS Communications、Noser、NTTドコモ、Nuance、Nvidia、PacketVideo、Qualcomm、Samsung、SiRF、SkyPop、SONiVOX、Sprint Nextel、Synaptics、TAT-The Astonishing Tribe、Telecom Italia、Telefonica、Texas Instruments、T-Mobile、Wind River、そしてGoogleとなる。

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