基幹系システム向けデータベースを提供するSoftware AGはSOAWebMethodsを買収することで、メインフレームが稼働する大手企業のレガシー移行に力を入れる。日本法人の福島徹社長に日本市場での戦略を聞いた。
ドイツのソフトウェア企業のSoftware AGが4月、米ソフトウェア企業のWebMethodsを5億4600万ドルで買収すると発表した。
基幹系システム向けデータベースを提供するSoftware AGは、SOA(サービス指向アーキテクチャー)によるシステム構築の支援ソフトウェアを提供するWebMethodsを買収することで、メインフレームが稼働する大手企業のレガシー移行に力を入れる。日本法人であるソフトウェア・エー・ジーの福島徹社長に、日本市場での戦略を聞いた。
ITmedia ソフトウェア企業同士の合併では一般に、製品統合などが難しいといわれます。今回、WebMethodsの合併ではそうした懸念はありませんか?
福島 合併に伴い、両社から人を集めて製品開発部隊を組織しました。製品統合のプロジェクトは始まっており、ロードマップもできています。勢いだけの合併ではありません。地域、業種別の取り組み、顧客との関係などを慎重に検討した上で、相互補完的な効果が期待できると判断しています。
日本法人も、11月26日に両社のオフィスを統合し、サーバなどのインフラも共通化しました。
ITmedia 「レガシー」ともいわれる基幹系システムを運用する企業が、今後システムを刷新すると見込まれます。ソフトウェア・エー・ジーは、その基幹系システムに実装された機能をSOAで再構築するサービスの提供に注力していると考えていいですか。
福島 Software AGの主力製品の1つは、メインフレーム向けデータベース「Adabas」です。日本法人を設立する前はビーコンITが総販売代理店としてわれわれのソフトウェアを30年近くにわたり販売していました。そのため、日本に多くのユーザー企業を抱えています。一方、WebMethodの主力は、SOAでシステムを構築するためのソフトウェアです。メインフレームでAdabasなどを運用する多くの顧客企業を対象に、SOAによるシステム再構築を促していくのが狙いです。
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