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» 2008年01月12日 00時00分 UPDATE

Weekly Access Top10:消える創業者の名、パナソニックとして新たな船出

松下電器産業が設立90年にして創業者の名を冠した社名を捨てた。「松下」「ナショナル」「パナソニック」という3ブランドの並存に限界がきたため、社名をパナソニックに改めた。

[怒賀新也,ITmedia]

 今週の第1位は小飼弾――35歳からのプログラミングこそ無上の至悦。長い間多くの技術者の間でささやかれ続ける「35歳限界説」を、オープンソース開発者の小飼弾氏が独自の視点で斬った。圧倒的なアクセスを集めたことからも、この説に対する読者の注目度の高さがうかがえる。

 35歳ではないが、松下電器産業が設立90年にして創業者の名を冠した社名を捨てた。「松下」「ナショナル」「パナソニック」という3ブランドの並存に「限界」がきたため、社名をパナソニックに改めた。世界で展開するブランドもパナソニックに統一する。

 大坪文雄社長は「世界の優良企業で社名とは別に複数のブランドを持つ会社はまれ」と話す。ソニー、キヤノン、GEなど世界的な優良企業の多くは確かに社名とブランドが同じだ。

 1918年、松下幸之助氏は大阪市で松下電気器具製作所を創立した。1927年には「国民の必需品になるように」との思いを込めて、自転車用と手提げ兼用のランプを「ナショナルランプ」と名付けて発売した。この商品が大ヒットしたことで、ナショナルと創業者が切っても切れない関係で結びついた。「ナショナル」が聖域化していった。

 1994年、簡易型携帯電話である「パーソナル・ハンディ・ホン」の略であった「PHP」について、松下幸之助氏が設立したPHP研究所が「紛らわしい」とクレームをつけたという。結果として、「PHS」(パーソナル・ハンディホン・システム)に呼称を改めさせた。松下幸之助氏の影響力の大きさを示す例だ。

 だが、「National」は家電業界大手の米RCAの登録商標だったことで、海外では自由に使えなかった。そこで1961年に苦しみながら考え出したのが「パナソニック」だった。ソニーの歴代の経営トップが「最大の資産はSONYの4文字」と意気込んで話すのとは状況が異なっていた。

 「松下」の二文字からの卒業は吉と出るか凶と出るか。それを占うキーワードは、創業者の名前から開放されることで同社が獲得する「自由」ではないか。21世紀を生きるパナソニック社員が、松下の聖域にとらわれない自由な発想でものづくりを進められれば、今回の社名変更は成功へと向かいそうだ。もちろん「自由からの逃走」が起きる可能性も否定はできない。

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