店舗運営ソリューション――成功のカギは「三位一体」多店舗運営企業向けSaaS(1/2 ページ)

ドリームアーツ、ネクスウェイ、インターネットイニシアティブ(IIJ)は共同で多店舗運営企業のコミュニケーションを支援するソリューション、「店舗 matic」のサービス開始を発表した。同サービスはSaaS形式で利用される。

» 2008年01月23日 09時00分 公開
[大西高弘,ITmedia]

FAXと電子メールが混在するコミュニケーション環境

左からIIJ 保条専務、ネクスウェイ 富加見社長、ドリームアーツ 山本孝昭社長

 飲食業や流通、小売業など多店舗展開をしている企業では、本部と支店、店舗などとの連絡が頻繁に行われている。商品、材料の仕入れから、在庫確認、その他さまざまな指示、連絡がやり取りされる。最近は電子メールでのやり取りも急激に増加しているというが、FAXのコミュニケーションも残っており、混在状態の中、日々の業務が行われている。

 コミュニケーションツールの主役となっている電子メールだが、ここでも問題が起きている。メールというのは、送信者側にとって便利な道具だが、ケースによっては、受信者側からすると対応に時間がかかるものになってしまう。

 送信者が確認のため、念を入れてCC、BCCに多数の関係者を入れてメールすると、受信者はいちいちそれらを確認していかなくてはならず、店舗の現場でのコミュニケーションに時間を割くべきマネージャが、1日のほとんどの時間をメール対応に使ってしまうという事態もあるという。

 FAXサービスやその他インターネット分野での多店舗展開企業向けサービスを事業の中心としてきた、ネクスウェイはこうした実情を調査によって把握し、店舗と本部のコミュニケーションの効率化にビジネスチャンスを見出した。

アナログの時間を増やすための機能

 企業情報ポータル製品、営業活動支援ツールの開発、コンサルティングなどに実績があるドリームアーツは、小売業など多店舗展開している企業のコミュニケーション基盤の構築経験も豊富で、ノウハウも蓄積していた。

 「今回はソフトウェア構築に専念した」と山本孝昭社長が述べる背景には、ネクスウェイが吸い上げてきたユーザーの要求について、十分に応えることができた、という自信の表れと言えるかもしれない。

 こうして構築された「店舗 matic」の特長は、店舗側と本部側で活用する機能がはっきりと分かれ、使う側のニーズに合わせてあたかもカスタマイズされたように設定されていることだ。本部側では、通達された連絡事項が各店舗でどれぐらいの割合で閲覧されているか、アンケートの結果はどうか、などが一覧できる。またイベントの実施報告状況なども確認することができる。店舗側はメッセージを一覧し、当日実施しなければならない事項がToDoリストとして確認することができる。

「店舗 matic」利用画面

 最初から必要な情報をプライオリティの高い順に一覧できることは、かなりの時間節約につながる。「メールもFAX同様、あっという間に山積みになってしまう。これらをできるだけ早く、正確に読み取ることが、店舗に出向いてコミュニケーションをするという、アナログな時間を増やすことにつながる」(ネクスウェイ、富加見 順社長)

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