KDE 4で変わるデスクトップ環境Review(1/4 ページ)

正式リリースされたKDE 4は、パフォーマンスやデザインから収録アプリケーションとシステムツールに至るまで、ほぼすべてのレベルで大がかりな見直しが行われている。

» 2008年01月31日 09時54分 公開
[Bruce-Byfield,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 先週金曜(1月11日)、2年半を超える構想と開発の期間を経て、KDE 4が正式にリリースされた。この定評あるデスクトップ環境の新バージョンでは、パフォーマンスやデザインから収録アプリケーションとシステムツールに至るまで、ほぼすべてのレベルで大がかりな見直しが行われている。ほかのデスクトップの影響も見受けられるが、大半のユーザーは何百もの新機能から気に入った点を見つけられるはずだ。ただし、ユーザーによる最終的な評価は、新たなレイアウトと考え方を許容できるかどうかに依存するだろう。

 今日(1月14日)の時点で入手可能なKDE 4パッケージはKubuntu向けとDebianのexperimentalリポジトリのものだけで、そのほかの主要ディストリビューションのリポジトリにはまだ入っていない。ソースコードを自分でコンパイルせずにこの最終リリース版を確認したい人は、Fedora、KubuntuopenSUSE(KDE独自のシステム管理ツールに代わってYast2が収められている)など、数々のディストリビューションで提供されているライブDVDを利用するとよい。別のコンピュータで「KDE 4.0 Visual Guide」を見ながらこのライブDVDを試したいというユーザーもいるだろう。そうすれば目立たない機能を見過ごすこともない。

 KDE 4では、ハードウェアおよびマルチメディアを扱うための新しいアプリケーション群の採用、Qt4ウィジェットセットへの切り替え、コアライブラリ群の大幅な書き換えがひそかに行われている。これらの組み合わせにより、デスクトップの処理速度は著しく向上しており(その効果はライブCDでも分かる)、これまでの主要なデスクトップ環境で最も高速だったXfceに匹敵するほどになっている。

 今回のリリースでさらに注目すべきは、ビジュアル面の洗練化、透過性、抽象度の高い壁紙、デフォルトテーマOxygenの分かりやすい3次元アイコンといった点で、KDEが大きな進化を遂げていることだ。もちろん、これまでのバージョンでもずっとカスタマイズは可能だったが、デフォルトのデスクトップ環境の実用性でGNOMEに劣る、との不満がよく聞かれた。だが、それも過去のことだ。KDE 4は見る人に感銘を与えるように作られ、その点で成功を収めている。

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