GoogleとMSが目を付けた新興企業は?

新興企業が集まるDEMOカンファレンスで、GoogleやMicrosoftは出資や買収に値する有望な企業を探している。

» 2008年02月01日 11時37分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 Google、Microsoft、IBM、Cisco、Yahoo!などの大手ベンダーの密使が、DEMO 08カンファレンスで新技術をチェックしている。

 では、検索とコラボレーションソフトで競争しているGoogleとMicrosoftは何に興味を持っているのだろうか?

 Googleの企業開発責任者マイケル・ピアソン氏は1月30日、機密を要する役目だからという理由でコメントを避けた。狙いは出資や買収の対象になりそうな企業だ。

 eWEEKは、ピアソン氏と事業開発担当の同僚カレン・デービス氏が、ボイスオーバーメッセージングを専門とするGoldmail、ソーシャル検索のiLeonardo、オンラインデータベースのBlistのブースに立ち寄ったことを突き止めた。

 これには何の意味があるのだろうか。何の意味もないかもしれないし、大きな意味があるかもしれない。少なくとも、Googleは革命的かもしれない3つの技術への好奇心を満たしている。

 Goldmailは11月にコンシューマー向けのボイスオーバーメッセージングアプリケーションを立ち上げ、1月29日に企業向けのバージョンをリリースした。

 同社のユーザーはビデオメッセージを埋め込んだ電子メールを送信できる。メッセージをクリックすると、メールを読む代わりに「視聴する」ことができる。コラボレーションソフト市場でMicrosoftに攻勢をかけようとしているGoogleには、こうしたアプリケーションは非常に有用かもしれない。

 Goldmailがオンライン版のソフトを提供したら、GoogleはそれをGmailユーザーにオプションとして提供できるだろう。

 Notebookz.comのiLeonardoは、検索、ブックマーク、ソーシャルネットワークをまとめた結果とユーザーが決めたランキングを表示する。

 Googleは数式ベースのアルゴリズムで今日の最大手検索エンジンとなったが、iLeonardoのようなものを加えれば、ユーザーの検索行動をもっと理解する上で役に立つ。検索行動をより理解すれば、Googleはユーザーに合わせてオンライン広告を調整できるだろう。

 だが、iLeonardoをどうやってGoogleに取り込むのか、人的影響を受けるiLeonardoのランキングがGoogleのPageRankにどう影響するかといった疑問が出てくる。

 Blistはまずはコンシューマーをターゲットにしているが、GoogleやMicrosoftなど、オンラインで情報を整理できる機能を目指しているベンダーを求めているかもしれない。

 Blistでは、Flashベースのインタフェースを使って、スプレッドシートのような形で簡単に利用できるオンラインデータベースを作成できる。Blistのケビン・メリットCEOは、いずれ企業をターゲットにすると語った。

 だがMicrosoftもBlistを気に入っている。この独特の情報収集ツールをめぐり、GoogleとMicrosoftの間で戦いが起きることになるのだろうか。

 Microsoftのエマージングビジネスチームで事業開発ディレクターを務めるドン・ドッジ氏は、BlistはDEMOで見つけた中で、大きなものに発展する可能性を持つ興味深い金の卵の1つだと語る。

 「オンラインでデータベースアプリケーションを構築して、スプレッドシートとして簡単に使えるようにするというアイデアは成功するかもしれない」(同氏)

 今日の新興企業は買収されることが目当てだと指摘する同氏は、これらの技術のほとんどは、Microsoft、Google、Yahoo!などの大企業のソフトに取り込まれると考えている。

 「前提がすっかり変わった。かつて新興企業は資金を調達して市場に参入し、株式を公開しようとしていた。今は2人のプログラマーとアイデアがあれば会社を始められるし、あまりベンチャー投資がなくても製品を出せる。今は買収されるために会社を作っている」(同氏)

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