スマートフォン向けOS大手の英Symbianの調査担当副社長のデビッド・ウッド氏が、スマートフォンに関する2008年の20のトピックスを占う。今回はスマートフォンとサービスがテーマだ。
2008年は、スマートフォンに関するどんなニュースが、世間の関心を呼ぶでしょうか。私が予想する20のトピックスをご紹介します。今回はスマートフォンとサービスに関する10のトピックスです。
ここでいう「スマートフォン」は、ユーザーセグメントやマーケットに合わせたカスタマイズができ、コンフィギュレーション可能なモジュールにて構成されている汎用OSを搭載している携帯電話です。汎用OSとは、サードパーティサプライヤー向けのSDK(ソフトウェア開発キット)が含まれます。スマートフォンの(端末)メーカーは、サードパーティサプライヤーのエコシステムからソフトウェアを活用することができます。
スマートフォンは、優れた汎用OSと力強いサードパーティエコシステムの恩恵を得ています。
高性能な携帯電話
省電力で長時間使用可能なこと
高速データ通信向けに最適化されていること
ハイパフォーマンス
マルチタスク対応
堅牢でセキュア
多種多様な機能
個人のライフスタイル豊かにするエンタテインメント機能の充実(優れたWebブラウジング、音楽、ビデオ、テレビ、ゲーム、コンテンツの共有など)
高機能なエンタープライズソリューション(電子メール、PIM、途切れないVoIP、ビジネス用のアプリケーション)
最近まで、スマートフォンは主流メディアにおいては、比較的ニッチな分野における関心事でしかありませんでした。スマートフォンプラットフォームに関する話題は、非常につまらないものとされていたのです。しかし、その傾向は変わりつつあります。
こうしたことから、既存のコンピュータについてのニュース目にすることはだんだんと少なくなり、一方で、本当に面白いスマートフォン製品やSymbian OSについて見聞きすることが、今後ますます増えてくるでしょう。
スマートフォンOS環境に関する技術革新のペースは、広くは評価されていませんが、今まさに加速しようとしています。「S60」や「UIQ」といったSymbian OSのプラットフォームに関する技術の進歩は、過去数年において比較的穏やかでした。そして私がそのようにいう理由は、Symbian OSのバージョン9(v.9)が、2006年上期に従来のバージョンとは全く異なったプログラムを採用したからです。
同時に、S60とUIQの両方がSymbian OS v9のプラットフォームバージョンにおいて、本質的に新しい設計上の特徴を採用することになりました。こうしたプログラム上の相違の結果、プラグインソフトやアドオンソフトメーカーにとっては、かなり対応方法が定まらない期間が続くことにはなりました。現在では、こうした相違は、過去のものとして消えつつあります。
Symbian OS、S60およびUIQはすべて、その安定性と成熟度において、新しい水準に到達しました。これは、エコシステム内での技術革新が花開くためにまさに必要なものでした。これが意味することは、今後、Symbian OS搭載携帯電話に新機能がますます急速に登場してくるということであり、記者たちが報道する話題も非常に多くなると期待しています。
スマートフォンにおいて登場してきている高性能のモバイルwebブラウザに関して、2007年には多くの報道がなされました。より多くの人々がこうしたWebブラウザの持つ能力と有用性に気づいている中、それは重要なニュースではありました。
しかし、2008年には異なった種類のWebアプリケーションについて、より多くの報道がなされることになるでしょう。「ブラウザレスWebアプリケーション(ブラウザを介さないWebアプリケーション)」について耳にすることが非常に多くなるはずです。これらのアプリケーションは、次のような特徴を持っています。
これらのアプリケーションの使用事例は、Symbian Google Maps のネイティブアプリケーションやShoZuの写真アップロードアプリケーション、MobiMateの携帯トラベルソフトなど多数存在します。
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