オンライン広告の展開に新風を――TradeDoublerが本格進出

オンライン広告サービスのTradeDoublerが、日本での事業展開を発表。検索連動型広告の効果検証サービスを開始する。

» 2008年02月19日 19時00分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 オンライン広告サービス大手でスウェーデンのTradeDoublerは2月19日、日本での事業展開を説明し、日本法人「TDテクノロジー」が検索連動型広告の効果検証サービスを2月21日から開始すると発表した。

 TradeDoublerは1999年に設立され、オンライン広告やマーケティングサービスを展開する。現在は約1600社の広告主と取引があり、2007年の売上高は26億6000万スウェーデンクローネ(約4億2000万ドル)。欧州最大のオンライン広告企業となっている。

 今年1月にオンライン広告の効果・分析管理スイート「td toolbox」や検索連動型広告の分析管理ツール「td Searchware」を手掛ける事業部門「TD Technology」を設立。TradeDoublerの現地法人として、1月9日に日本オフィスを設立した。

クーパー氏

 TradeDoublerのウィリアム・クーパーCEOは、「日本のオンライン広告市場では投資収益率(ROI)に基づく効果検証と戦略的なマーケティングが重要視され始め、専業ベンダーの技術が求められるようになった」と、日本進出の背景を表明した。

 TDテクノロジーの横田祐介マネージング・ディレクター兼社長は、「オンライン広告の分析に専業ベンダーのサービスを利用する広告代理店は欧米で9割以上だが、国内は2割にとどまるとみている。特に検索連動型広告に対する客観的な分析が注目されるだろう」と話し、2月21日からtd Searchware日本語版の提供を始めると発表した。

横田氏

 td Searchwareは、検索連動型広告で使用するキーワードやオンラインキャンペーン、商品などの単位で、広告予算に対する効果(クリック率やコンバージョン率、顧客動向など)を詳細に分析・リポートする。検索連動型広告に出稿する際のキーワード編集機能も提供する。

td Searchwareの画面。デザインなどをカスタマイズでき、25種類のリポートを閲覧できる

 横田氏は、「ROIとして実績数値を算出し、ROIを最大化するためのキーワード広告の最適化を自動的に行う。ROIを指標に用いるのは欧米では一般的だが、日本ではこれから。オンラインマーケティングの新手法として先行したい」と説明する。

 2008年第2四半期以降は、td Searchwareの機能をtd toolboxに統合し、オンライン広告の効果分析・管理を包括的にできるようにする計画。また、第4四半期に業種別に機能を特化したtd Searchwareを提供するという。

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