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» 2008年02月21日 01時05分 UPDATE

世界的な技術者の輩出を――石川県の北陸先端大にて

石川県の北陸先端科学技術大学院大学は、科学技術分野での人材育成を目指し、学内情報基盤の整備をマイクロソフトと進めていくことを明らかにした。

[柿沼雄一郎,ITmedia]

 2月19日、マイクロソフトと石川県の国立大学法人 北陸先端科学技術大学院大学は、人材育成の観点から協業関係を強化していくことを発表した。

 北陸先端科学技術大学院大学は、科学技術分野において世界最高水準の教育・研究環境を提供することを目的として、1990年に現在の石川県能美市に開学した。学生として新卒者のほか、民間企業や海外からの受け入れも広く行われており、現在では全学生の18%が外国人留学生、常勤講師の11%が外国人という国際的な教育研究機関となっている。同大学ではこうした学生および職員を対象に、マイクロソフト製品の包括的なライセンス契約を結び、学内情報基盤の強化とより優れた人材育成の活動に弾みをつける。

 今回、北陸先端科学技術大学院大学はマイクロソフトと「高等教育機関向け包括ライセンス契約」を結んだ。その内容は、全学生および全職員が、大学内はもとより個人所有のPCにおいてもWindows VistaやMicrosoft Officeなどのマイクロソフト製品が自由に利用できるようになるというもの。利用者の人数に応じた契約方式となることで、従来のPC台数をベースとしたソフトウェア購入形式よりもライセンス管理を簡素化および効率化できるという。また、国内では初めて全学的にマイクロソフトのアプリケーション仮想化技術「SoftGrid」を導入し、アプリケーションの多言語化や複数バージョンの共存化を容易にする。外国人留学生が母国語でアプリケーションを利用することが可能となり、効率的な研究作業が可能になるとしている。こうした学内情報基盤を整備することで、国際化大学にふさわしいより先進的な教育・研究環境を実現していくことが今回の主眼となる。

 同大学で行われた発表会では、マイクロソフト代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏、同大学長の潮田資勝氏が出席し、本協業強化における取り組みを説明した。

ダレン・ヒューストン氏 協業内容を説明するダレン・ヒューストン氏

 マイクロソフトは昨年6月、石川県金沢市に北陸支店を開設し、地域との関係強化に務めてきた。同支店長の中林秀仁氏は、「既存パートナーとの関係はより深く、新しいパートナーとは幅広くという気持で、実際に顔を合わせながら関係を築き上げてきた。こうした活動の結果、より厚い信頼を得ることができるようになった」と約10カ月間の成果を話す。ヒューストン氏も、同支店の業績を「各地の支店中で最も高い水準にある」と評価する。

中林秀仁氏 マイクロソフト 北陸支店長 中林秀仁氏

 それからヒューストン氏は、今回の協業強化が「支店開設の目的として、まさに望んでいたことの一つ」であると説明。地域との密接な関係づくりというその成果に自信を見せつつ、「今回の重要なポイントは、ライセンス管理や運用管理といったITのガバナンスモデルがきちんと反映されている点で素晴らしい」と、北陸先端科学技術大学院大学の姿勢に讃辞を送る場面も。さらに、「マイクロソフト本社も各国から人材が集まる多国籍環境。同じグローバルな技術者を擁する機関として、今回のケースは重要な事例として共有していきたい」と今後の横展開の方向性も示唆した。

 同大学長の潮田資勝氏も、ソフトウェア資産管理と国際化対応による最先端の情報環境の二つの面から、今回の協業強化が有益なものである点を強調する。

潮田資勝氏 北陸先端科学技術大学院大学大学長の潮田資勝氏

 今回の協業の中で、同大学が学生のキャリア習得実現支援のため2008年度から実施する「新教育プラン」に対してマイクロソフトが支援策を講じることも発表された。同大学の大学院生をインターンとしてマイクロソフトへ受け入れ、高度な人材育成に協力する。1〜3カ月程度の期間で、受け入れ先は主に同社の調布技術センターを検討しているという。

 「人材育成を中心にした教育の中で、インターンシップをマイクロソフトと結ぶことができたのは非常に有意義」(潮田氏)

 同大学 情報科学センター長の松澤照男氏も、今回の協業の狙いについて、「何事も最先端というのがわれわれのミッション。それぞれの学生が分散して効率的な処理を行いながらも、サーバ側で集中管理ができる『分散と集中』のソリューションが合致した」と包括ライセンス契約とSoftGridの両方が見事に同大学の要求に応えたことを説明。

松澤照男氏 北陸先端科学技術大学院大学 情報科学センター長の松澤照男氏

 松澤氏は「包括ライセンスなら個人用のPCにもインストール可能で、さらに全学では60%以上も投資を抑制できた。ライセンス管理も適切かつ簡易になるため、コンプライアンスの面からもメリットが大きい」とその利用価値を大いに認めている。

mshk05.jpg SoftGridを導入することで、各国語のアプリケーションを同一の環境で利用できる

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