2007年の7月に発売されたカシオのスーパースリムプロジェクター「XJ-S46/XJ-S36」。その呼称からも明らかなように、モバイル性と高機能を両立したことが特徴である。B5ファイルサイズで1.8Kgというスリムな筐体は、ビジネスバッグに無理なく収納でき、性能的にも2,500ルーメン(XJ-S36は2,000ルーメン)の明るさ、USBメモリ対応、ワイヤレスLAN対応、スピーカー内蔵など多くの特長を備えている。
従来のプロジェクターは、その重さやサイズから、アポイント先やイベント会場などへの持ち運びをためらってしまうことが多かった。また使う側からすれば、不慣れな外出先で機材を設置することへの不安も拭いきれない。これでは、せっかく購入したプロジェクターも、あまり活用できないということになってしまう。
しかし、カシオ計算機 営業本部 VCI企画室 室長 下田純也氏によると、このような現状に変化の兆しが見られるという。
カシオ計算機 営業本部 VCI企画室 室長 下田純也氏「スーパースリムプロジェクターが契機となり、ユーザーがプロジェクターを利用する機会が目に見えて拡大したと感じています。当社内でも、営業部門だけでなくスタッフ部門においても、積極的にスーパースリムプロジェクターを活用するようになりました。十分な機能を持ちながら、モバイル性も高いということで、気軽に使えるようになったからでしょう」(下田氏)
続けて下田氏は言う。「昨今企業では、内部統制への対応が重要な課題となっています。むやみにPCを持ち出したり、重要書類を大量にプリントアウトしたりすることに、規制をかけている企業は少なくありません。エコロジーの観点から、ペーパーレスを推進している企業もあります。とはいえ、営業マンが手ぶらでお客様のところへ伺うわけにはいきませんよね。このような社会的な背景も、“PCレスの投映”を実現したスーパースリムプロジェクターの普及を後押ししていると考えています」(下田氏)
なおカシオでは、内部統制に対応するという観点から、スーパースリムプロジェクターに対応する「指紋認証USBメモリ」も提供しているという。
ムービー立て看の設置例。一見スタンド型POPのようだが、背面透過型スクリーンの後方から動画を投影することで、超薄型ディスプレイを実装しているかのような演出が可能だこのように利用の頻度が上昇しているスーパースリムプロジェクターだが、ここに来てユニークな活用例が登場した。「背面透過型スクリーン」を組み合わせたパッケージ商品「ムービー立て看」である。
「企画が持ち上がったのは、2007年の夏ごろです。スーパースリムプロジェクターで“小型に持ち運べる大画面”を打ち出していたカシオと、機能性フィルムの製造に高いノウハウを持つ株式会社きもとが、それぞれ“オンリーワンの技術”を持ち寄るかたちで実現しました」(下田氏)
きもとは、電子工業・設計製図・印刷製版材料を中心とした機能性フィルムの総合メーカーである。同社が開発した、紙と同様に薄く液晶よりはるかに高い視野角を持つ背面透過型スクリーンにより、今回の企画が実現した。
きもと 産業メディア営業部の北口氏は、次のように話す。
きもと 産業メディア営業部 グループリーダー 北口雅章氏「ムービー立て看は、液晶やプラズマといたディスプレイを購入するよりもはるかに安価に導入できます。また、POP部分は丸めて持ち運べますし、プロジェクター自体もスリムなため、設置や撤収の手間もかかりません。飲食店や小売店、またイベント会場などでの展開に最適だと考えています。テストマーケティングでは、特にショールームをお持ちの企業様に興味を持っていただけました」(北口氏)
カシオでは、今回の発売にあたり、ムービー立て看のアイキャッチ効果について検証と調査を重ねたという。
「単にディスプレイを設置し動画を再生しても、道行く人に足を止めてもらうことは難しい。しかしムービー立て看を設置してみると、『なぜこのスクリーンに動画が流れているのだろう?』と、非常に多くの人が興味を示し、立ち止まってくれました。しかもムービー立て看は、ただ動画を流すだけではなく、商品やサービスの価格や発売日、またはキャンペーンの詳細といった見る人に最も伝えたい要素を、スクリーンの周囲で同時に表現することができます」(下田氏)
スーパースリムプロジェクターはPCレス投映ができ、スピーカーも内蔵しているので、動画を記録したUSBメモリさえ用意すれば、音声付きで投映が可能だ。文字・写真に動画・音声を加えることで、より高い宣伝効果が期待できる。
カシオ計算機 営業本部 VCI企画室 小西圭太 氏今回『ムービー立て看』としてパッケージ展開するに先立ち、カシオ製プロジェクターと、きもと製スクリーンを2社共同で提案してきた結果、2社が先行導入しているという。大塚商会は自社主催のイベント会場において利用、計量器メーカーのイシダは製品訴求を目的に活用している。カシオ計算機 営業本部 VCI企画室 小西圭太氏は次のように話す。
「液晶やプラズマといったディスプレイを通じてコンテンツを見せる場合、ディスプレイを設置した場所に人を集める必要があります。しかしムービー立て看なら、簡単に移動できるため、人が集まっている場所に設置すれば良いのです」(小西氏)
通常、液晶ディスプレイの明るさは500ルーメン程度。対してXJ-S46は2500ルーメン、XJ-S36は2,000ルーメンの明るさを誇る。背面透過型スクリーンを通して見ても、非常に鮮やかだ企業の担当者は、誰もが自社のビジネスに置き換えて発想を膨らませてくれたという。『ムービー立て看』として新展開を始めるのを機に、カシオときもとの両社では、銀行や官公庁の待合ロビー用などにも導入を目指す。
「ご覧いただいた方は皆さん『有機ELより薄いディスプレイがあったのか!』と驚かれます。しかしムービー立て看は、既存の技術や製品をシンプルに組み合わせたものですから、導入に当たり難しい障壁はありません。またプロジェクターの製品特性上、液晶やプラズマといったディスプレイよりもはるかに高い輝度と視野角を持っています。店頭やショールーム、そして待合室などへの設置には最適なのです」(北口氏)
また下田氏によると、カシオグループとしての総合力も、ムービー立て看が高い注目を集めることに一役買っているという。
「我々はハードウェアだけではなく、グループの広告会社『カシオコミュニケーションブレインズ』と足並みを揃えることで、印刷面のデザインや投映用の動画作成など、ムービー立て看用のコンテンツも受注でき、さらにマーケティングのコンサルテーションについてもご相談いただけます。このように全てワンストップソリューションで相談していただけるメーカーは、他にないのではないかと自負しています」(下田氏)
下田氏は「ウェブが普及したため、多くの企業がホームページ公開用の動画を作成した。しかしその動画が、きちんと顧客に見られているとは考えにくい。コンテンツホルダーである企業は、自社のコンテンツをどうすれば見てもらえるのか、悩みを抱えている」と話す。
昨今、通信インフラが急速に普及したため、多くの企業がホームページ公開用の動画を作成している。しかし、作成した動画を自社サイトで公開したところで、必ずしも多くの人が見てくれるわけではない。下田氏によると、コンテンツホルダーである多くの企業は、「自社のコンテンツをどうすれば見てもらえるのか」という悩みを抱えているという。
「私の所属部署は、もともとPJ(プロジェクター)企画室という名称でした。しかし、単なるモノ売りではなく、『コト』を売ろうという趣旨で、VCI(Visual Communication Information)企画室に改名したという経緯があります。お客様の実現したい「コト」を、我々の持っている製品とソリューションで実現するというポリシーを持ち、今後も製品開発を続けていきたいと考えています。ムービー立て看の商品化を通じ、悩めるコンテンツホルダーに新しい可能性を提示したいのです」(下田氏)
薄型ディスプレイの購入やリースにコストと手間をかけるよりも安価に導入でき、設置と撤収に手間もかからないムービー立て看を、「宣伝費の選択と集中」をいう観点からも、検討してみてはいかがだろうか。
なお、ムービー立て看は、「リテールテック・ジャパン 2008」(3月4日〜7日・東京ビッグサイト)のカシオ計算機ブースに出品されている。
提供:カシオ計算機株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2008年3月17日
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