Special
» 2006年10月13日 00時00分 公開

Webベースで開発したWMSに、Windows CE .NET搭載の無線ハンディターミナルを採用

物流大手の澁澤倉庫は、倉庫内の検品や棚卸し、ピッキング作業を効率化するため、ユニアデックスと共同で「WMS(Warehouse Management System)システム」を開発した。このシステムでは、カシオのハンディターミナル「DT-950」を作業員用の端末に用いており、倉庫内の無線LAN環境によってリアルタイムの在庫状況確認や作業指示が可能になっている。DT-950は現場でも故障しにくく、操作性やレスポンスの良さなどから作業員にも好評だという。

[PR/ITmedia]
PR

端末プログラム更新をなくすためWebベースで新たにシステムを構築

photo 大量の荷物を扱う澁澤倉庫の千葉北センター

 WMSシステムは、澁澤倉庫の千葉北センターで最初に導入された。この千葉北センターでは、ある大手飲料メーカーの製品を預かっており、ケースに入った飲料等を24時間体制で受け入れ、保管し、配送しているという。

 WMSシステムが導入される以前、倉庫内の検品や棚卸作業を支援するため、フォーク端末と呼ばれる端末が使われていた。

 「これは、小さなPCをフォークリフトに搭載したようなものです。が、あまり使い勝手は良くなかったようで、現場でもそれほど活用されていなかったようです」と、澁澤倉庫 管理本部 情報システム部長の三原和男氏は言う。

photo 澁澤倉庫 管理本部 情報システム部長 三原和男氏

 このフォーク端末は、倉庫内の無線LAN環境を通じてサーバと通信するシステムを構成していた。このシステム自体にも課題があったという。

 「ここ数年、物流の形態が変わってきており、顧客からEDIでデータをもらうなど、システムに対する要求が増えてきたのです。しかし、以前のシステムでは柔軟な対応が困難でした」と説明するのは管理本部 情報システム部 課長代理の小林一敬氏。

photo 澁澤倉庫 管理本部 情報システム部 課長代理 小林一敬氏

 旧システムはクライアント/サーバ型のアーキテクチャだったため、プログラムを修正するたびに全部の端末を回収する必要があったのだ。24時間体制のセンター業務を止めることになってしまう。そこで新たに、Webベースのアーキテクチャでシステムを開発することにした。それがWMSシステムだ。

 「顧客のシステムが大幅に変更されたタイミングに合わせ、我々も全体的にシステムを入れ替えようと考えたのです」(小林氏)

 開発プロジェクトは2004年11月にスタート、2005年2月にユニアデックスが加わり、主にプログラム開発を担当することになった。実際の開発は2005年夏頃から進められ、2006年4月にカットオーバーしている。


photo DT-950での作業フロー。データは無線LANでリアルタイムにDBと同期する

高い耐久性を備えWebベースのシステムに最適な「DT-950」を端末に採用

 WMSシステムは、旧システムと同様、倉庫内の検品作業を支援するシステムだ。サーバには商品マスタや在庫マスタといったデータベースを持ち、工場からの入庫時、保管中、そして出荷前のピッキング、それぞれの段階で梱包のバーコードを読み取ってデータと突き合わせ、検品を行うなどの機能を備えている。

 その端末には、カシオのハンディターミナル「DT-950」が選ばれた。千葉北センターでは48台が使われている。

photo DT-950での検品作業。フォーク端末と異なり、取り回しがよい
photo DT-950M50S本体

photo ユニアデックス ソフトウェアサービス事業グループ 営業統括部 サービス営業部 グループマネージャー 高橋知則氏

 「運用シーンとしては、フォークリフトを乗り降りしつつ検品するという感じです。検品用端末といっても、コンビニエンスストアの店頭在庫を確認するような端末とは違い、操作性や耐衝撃性などが重要となります」と小林氏は言う。現場の環境に耐えられる、業務用ハンディターミナルでなければならないのだ。さらに、システム面からの条件もある。

 「DT-950を選んだのは、主に2つの点からです。まず、OSにWindows CE .NETを採用しており、オープン環境であること。そして、アクシスソフトのリッチクライアント環境『Biz/Browser for PDA』に対応していることです。倉庫内物流の作業には操作性が重要です。Webベースのアーキテクチャで高い操作性を得るため、リッチクライアント環境が必要だったのです」と、ユニアデックス ソフトウェアサービス事業グループ 営業統括部 サービス営業部 グループマネージャーの高橋知則氏は説明している。

 業務用ハンディターミナルには独自OSや独自の開発言語を採用した製品も少なくない。しかしDT-950はオープンなソフト開発環境を使うことができ、WMS開発に際しても、DT-950に関するサポートは特に必要なかったとのことだ。


レスポンスが良く使いやすいと現場の作業員にも好評

 千葉北センターでは、今回開発したWMSとは別に、顧客側の「トレーシングシステム」があり、DT-950の前モデルであるDT-900を用いている。

 「すでに同じシリーズを現場で使い慣れているということもあって、WMSの導入時にもアプリケーション操作の説明のみで済みました。端末のユーザーは常勤作業員だけでなく、繁忙期にはヘルプスタッフが入ることもあるのですが、現場で操作方法を教えてすぐに使えているようです。また、DT-950はDT-900より処理が高速になっているせいかレスポンスが良いと評判ですし、外装の凹みなどを気にせず使えるなど、堅牢性もあります」(小林氏)

 澁澤倉庫では今後、WMSシステムを他の拠点にも展開していくと同時に、主に現場の意見を取り入れて、さらなる機能強化を進めていく方針だ。

 「無線LANを利用した通知機能など、現場ができると思っていないような機能に関しては情報システム部からも提案していきますが、システムの可能性を引き出すのは現場の作業員たちです。現場に新しい端末が入ったことで、作業する人たちのアイデアなどが出てくれば、また新しい使い方が見えてくることでしょう。そこに対応していけば、新しい作業形態が生まれてくるのではないかと期待しています」(三原氏)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:カシオ計算機株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2006年10月26日