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» 2008年03月19日 16時10分 UPDATE

クラウドコンピューティングの明るい未来――ニコラス・カー氏語る (1/2)

IBMがメインフレームを主軸としたモデルを提唱してから50年を経た今、GoogleやSalesforce.com、Microsoftなどのユーティリティコンピューティングが成功を収めている理由を、「The Big Switch」の著者であるニコラス・カー氏が論じた。

[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 ニューヨーク発――ITにはもはや戦略的意義はないと主張し、ハイテク界に衝撃を与えた評論家のカー氏は3月18日、現地で開催された「Search Engine Strategies 2008」イベントで基調講演を行い、配電網とコンピューティンググリッドの進化を比較しながら、自身の近著について語った。

 カー氏は最新作「The Big Switch: Rewiring the World」の中で、エジソンからGoogleまでに言及し、持論を展開している。

 同氏の理論の肝は、CDからソフトウェアパッケージをダウンロードして使用する現在の方式は、ベンダーがインターネットに対応したアプリケーションを開発し、これをサポートするクラウドコンピューティングへ移り変わっていくという点にある。こうした現象がすでに始まっている証拠として、同氏はGoogle、Salesforce、Amazonなどが提供しているSaaS(Software as a Service)の成功を挙げた。

 「システムを個々に保有するのではなく、共有する傾向が主流になれば、コンピューティングやITへの投資を劇的に縮小し、より有益な目的に費やして、経済全体を活性化させることができる。われわれはようやく、コンピューティングを集約的に実装し、言うなればネットワーク越しに利用する公共サービスとして確立するところまでやって来た」(カー氏)

 クラウドコンピューティングは、企業がIT業務の一部もしくは全部を、そのためのアプリケーションやソフトウェアインフラストラクチャを提供するベンダーに任せたり、委託したりすることで、経費の節約を実現する技術だ。とはいえ、クラウドコンピューティングを供与する側は、顧客のアプリケーションを動かすのに、膨大な電力を消費しなければならない。

 参考までにと、カー氏が聴衆に見せた写真は、Googleの冷却施設の1つを写したものだった。フットボール競技場並みに広いそのサーバファームには、「数十万とは言わないが、少なくとも数万台のサーバコンピュータ」が収納されており、これらを冷却するために、オレゴン州ダラスにあるコロンビア川から冷水が引き込まれていた。

 カー氏は、「おそらくは正当な理由からGoogleが硬く口を閉ざしているので、こうした巨大データセンターの実情はほとんど分かっていない」と述べ、「ひょっとすると、動物が生け贄に捧げられたりしているのかも」とジョークを付け加えた。一方、MicrosoftやIBM、Amazon、Salesforceなども、同様のデータセンターを運営し、クラウドコンピューティングを支えている。

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