議論呼ぶGoogleの“検索内検索”――「広告収入乗っ取り」の声も(1/2 ページ)

Googleの検索結果ページ上でForbesなどのサイト内を検索できる「検索内検索」機能は、「Webサイトの広告収入を乗っ取る」と一部専門家は指摘している。

» 2008年03月28日 15時08分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 Googleの検索内検索ボックスがパブリッシャーや小売業者に不利益をもたらすかどうかをめぐり、ブロガーの間で意見が分かれている。この問題はNew York Timesが3月24日の記事で示唆した。

 検索内検索は、(検索結果ページに)第2の検索ボックスを置いて、実際にサイトにアクセスしなくてもそのサイトの中を検索できるようにする。ある検索専門家は、この新機能はGoogleがアフィリエイトWebサイトの広告収入を「乗っ取る」手助けをすると確信している。この機能は3月にβ版が立ち上げられ、現在は米航空宇宙局(NASA)、Target、Forbes、Best Buy、Wikipediaなどのサイトでテスト中だ。

 IDCのアナリスト、スー・フェルドマン氏は、検索内検索は一見した以上の脅威になると指摘する。検索ユーザーをGoogle内にとどめるため、ユーザーが目的のサイトの提携先が配信する広告ではなく、Googleが配信する広告をクリックする可能性が高くなるからだ。

 通常、検索ユーザーは目当てのサイトの名前をGoogle検索ボックスに入力し(その結果には広告が表示される)、そのサイトのリンクをクリックする。ユーザーは目的のサイトで、Googleが配信する広告、あるいはそのサイトが広告主に直接販売したアフィリエイト広告を目にするかもしれない。

 Googleが配信する広告の場合、売り上げの約4分の1はGoogleに分配され、残りはアフィリエイトサイトが広告掲載場所を提供した報酬として受け取る。

 だがフェルドマン氏は、Googleがユーザーを自社サイトにとどめれば、広告収入を自分だけのものにすることになると指摘する。またGoogleは、ユーザーが探しているサイトの競合企業を宣伝する広告を掲載するかもしれない。New York Timesの記事は不満点の1つとしてそれを指摘している。

 「この機能は検索ユーザーを別のサイトに送り込み、広告収入を分配しないという2つの点で目的サイトの売り上げを乗っ取る」(同氏)

 Googleの広報担当者にこの問題について聞いたところ、同社の目標は最高のユーザー体験を提供することであり、競合企業の検索広告はコンシューマーにとって有益だと答えた。検索結果と一緒に広告を表示したいサイトオーナーは、AdWordsオークションに参加できるとこの担当者は付け加えた。

 Webサイトは検索内検索をオプトアウト方式で拒否できると担当者は語り、Googleは数社からそうした要望を受け入れたとしている。ただしこの機能は新しいものなので、「まだフィードバックを集めているところであり、オプトアウトした企業がそれを取り消せるかどうかは決まっていない」という。

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