トレンドマイクロ、同社初の企業向け情報漏えい対策製品を発表

トレンドマイクロは、2007年10月に買収した米Provillaの技術を導入する同社初の企業向け情報漏えい対策製品を発表した。

» 2008年04月14日 18時30分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 トレンドマイクロは4月14日、同社初の企業向け情報漏えい対策製品「Trend Micro LeakProof 3.0」を発表した。5月30日に発売する。

 新製品は、2007年10月に買収した情報漏えい対策(DLP)ベンダーの米Provillaの技術を導入し、コンテンツ保護と情報漏えい対策を同時に実現するという。機密情報を適切に検出するコンテンツ判定精度の高さや、業務効率を損なわない運用性を特徴としている。

データの内容確認のほかファイル形式やキーワードなど複数の方法を併用をしてセキュリティレベルを判定し、ポリシーを適用する

 マーケティングプログラムマネジャーの小林伸二氏は、「情報漏えい対策には暗号化などさまざまな技術があるが、対策を強固にするほど社員の生産性が低下するといった課題がある。われわれは保護した情報を積極活用することにフォーカスした」と、新製品のコンセプトを説明した。

 LeakProof 3.0では、コンテンツ判定とフィンガープリントを組み合わせた「DataDNA」という独自の技術を利用する。クライアントPCやファイルサーバなどに保管されているデータを対象に、データ内から機密情報と想定される文字列を抽出し、統計学的な手法でセキュリティレベルを判定。DataDNAサーバでフィンガープリントを作成すると同時に、対象データのセキュリティポリシーを各クライアントに配布する仕組みとなる。

LeaKProof DataDNAサーバ。管理やサポートのしやすさを考慮してアプライアンス形態にしたという

 また、USBメモリやCD/DVDなど外部デバイス、Microsoft Officeなどのアプリケーション、zipやlzhなどのファイル圧縮技術、C/C++やJavaなどの開発言語など、多様な情報の出力環境に対応する。サポートするファイル形式も300種以上になる。情報の内容や出力先に応じたセキュリティポリシーを柔軟に設定できるという。

 プロダクトマーケティングマネジャーの横川典子氏は、「ユーザーに不便をかけず、管理者の負荷を軽減することを目指す一方で、セキュリティの重要性をユーザーに意識してもらうことも狙い、教育的な運用をできるようにした」と述べた。

 ポリシーで持ち出しが禁止されているデータを、ユーザーが電子メールへの添付など不注意な操作によって流出させる恐れがある場合に、ポップアップウィンドウでユーザーに警告する。ウィンド内にURLを表示でき、e-ラーニングのWebサイトなどにユーザーを誘導して、情報セキュリティの重要性を認識させる働きかけができるという。

 製品価格は、フィンガープリント作成とポリシー管理をするDataDNAサーバが、1000クライアント環境までで137万5000円(LP-100)、2500クライアント環境までが220万円(LP-500)。クライアントライセンスは1万8600円で5クライアントから購入可能。導入数に応じた割引もある。また、9月30日まで受注分を対象にLP-100と100クライアントライセンスをセットして98万円で提供するキャンペーンも実施する。

 小林氏は、「DLP市場は立ち上がって間もなく、ユーザーも手探りでソリューションを探している。まずは、部署や拠点単位でわれわれのDLPの新しいアプローチを試していただきたい」と述べた。

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