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» 2008年04月18日 20時03分 UPDATE

NTTドコモ、企業ブランド一新で再出発を表明

ブランドとロゴマークを変更し、顧客接点策を強化する。コールセンター増強やショップ改装などに約100億円を投じる。

[國谷武史,ITmedia]

 NTTドコモは4月18日、企業ブランドおよびコーポレートロゴマークを7月1日に変更すると発表した。技術やサービスを重視するキャリア主導型のマーケティング方針を転換し、顧客との接点を重視した施策を開始する。

 中村維夫社長は、「国内市場の飽和や新規参入した他社の台頭でわれわれのシェアが下落している。これは顧客を重視しなかった結果。顧客との関係を見つめ直し、ブランドとマーケティング戦略を改めることで再出発したい」と述べた。

dcmnew01.jpg 会見する中村氏(中央)と荒木氏、魚谷氏(左)
dcmnew02.gif 7月1日から導入する新企業ロゴ

 NTTドコモの新規契約者数は近年伸び悩み、2006年10月に始まった「番号ポータビリティ制度(MNP)」ではKDDIやソフトバンクモバイルなどに変更する契約者が相次ぎ、転出超過の状態が続いている。今年3月末現在の契約件数は約5340万件で、シェアの過半数割れも起こしたばかり(携帯・PHS合計での契約数)。

 会見で中村氏は、「技術やサービス偏重のマーケティングに陰りが出始めた5年ほど前から危機感を持ち始めた。MNPの実績が事業方針を見直す決定打になった」と説明した。

 同社は「新ドコモ宣言」を称する新たなマーケティング方針も発表。新方針では、「企業ブランドの再構築」「顧客接点と対応、CSR(企業の社会的責任)の向上」「グローバル化の推進」「組織の活性化」を重点項目に掲げる。

 当面は既存顧客の満足度向上を目標とし、会員制サービス「プレミアクラブ」の強化や、コールセンターの拡充、ドコモショップのリニューアルに着手する。今年度はこうした施策に約100億円を投じる計画だという。

 また、今年秋から顧客からの問い合わせに48時間以内に対応するサービス体制を敷く。例えば「通話ができない」といった問い合わせに対し、担当者がユーザーの自宅を訪問するなどして原因を特定し、48時間以内に解決を図る。「迅速な対応で顧客満足度を高めるサービス体制を準備する。FOMAの品質向上を目指す」(中村氏)

dcmnew03.jpgdcmnew04.jpgdcmnew05.jpg 新しいマーケティング方針での具体的な取り組み

 執行役員コーポレートブランディング本部副本部長の荒木裕二氏によれば、同社では昨年8月にコーポレートブランディング本部を設立した。

 25のプロジェクトチームがマーケティング上の課題を全社レベルで分析し、問題点の抽出と改善策の立案、実行プロセスの設計などを進めた。これら施策の効果について、既存顧客の満足度向上による解約の抑止や新規ユーザーの獲得増、携帯電話周辺事業の増収が見込まれるという。

 「解約率が下がれば、新規獲得コストも下がる。優良顧客はドコモの利用を周囲に勧めてくれるため、新規ユーザーを獲得できる」(荒木氏)

 中村氏は、「今後はブランドロイヤリティ向上を最大の目標に顧客との強いきずなを持つ企業に変わりたい」と述べた。

15年間の成長が組織を硬直化

 中村氏は、コーポレートブランディング本部の設立時に、提携関係にある日本コカ・コーラジャパンの魚谷雅彦社長を特別顧問として招へいし、同本部の活動支援を要請した。

 魚谷氏は、ドコモについて「設立から15年という短期間で急速な成長を遂げたが、この成功体験が組織を硬直化させているとの印象を持った。携帯電話業界が成熟期に差し掛かっても、変化に柔軟に対応できない企業となっていた」と述べた。

 結果として部門ごとに壁が生まれ、全社レベルの変革を目指しても個別最適化にとどまってしまう事態に陥っていたと、魚谷氏は指摘した。「マーケティングは各部署が独自に取り組み、全社レベルでそれをする部隊が存在しなかったことに驚いた」(魚谷氏)

 しかしながら、5300万契約の顧客基盤と全国展開する店舗網やコールセンターは、「再浮上のエンジンとして非常に強力な存在であり、活用しないわけにはいかない」(魚谷氏)として、新方針では真っ先に改革へ着手する。ドコモショップには年間にのべ5500万人の来店があり、コールセンターへの着信件数は年間2100万件にも上る。「5300万ユーザーに送付する請求書も有力な顧客接点」(同氏)

 コーポレートブランディング本部では昨年末にコーポレートロゴとブランドを刷新する方針を固め、年初から地域会社9社を含む全社員や販売代理店への説明を始めた。「全国を飛び回ったが、理解を得るまでにかなりの時間を要した」(中村氏)という。

 中村氏は、「新ドコモ宣言は、トップダウンでもボトムアップでもなく全社員の危機意識から生まれたもの。まずは2〜3年をかけ、イメージを刷新させていく」と意欲を示した。

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