ソフトバンクモバイルが夏モデルを発表、「女性ユーザー獲得」と「ドコモ対抗」を鮮明に1年以上前から計画

ソフトバンクモバイルは、女性ユーザーをターゲットにした携帯電話の夏モデル12機種を発表。NTTドコモに対抗する「ダブルナンバー」サービスも始める。

» 2008年06月03日 20時13分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 ソフトバンクモバイルは6月3日、携帯電話端末の夏モデルとなる新製品12機種と新サービスを発表した。12機種のうち8機種を女性ユーザー向けとして展開するほか、NTTドコモの「2 in 1」サービスに対抗する「ダブルナンバー」サービスを開始する。

「手に収まる幅48ミリメートルにこだわった」と話す孫社長

 夏モデルの狙いについて、孫正義社長は「従来から女性向けのラインアップが弱く、女性が携帯電話に期待する世界観を重視した。日本中の女性ユーザーを取り込みたい」と話した。同社が女性ユーザーを対象に実施した端末に対するニーズ調査では、「防水」「手に収まるサイズ」「雰囲気」を重視する回答が目立った。「バスタイムに電子メールをやり取りしたいという声が多く、1年以上を費やしてサイズやデザインを含めた女性向け端末を開発した」(孫氏)という。

 女性向けの新端末は、ワンセグ付き防水端末では厚さ15.3ミリを実現した「THE PREMIUM 824SH」や防水仕様でカラフルな色合いを持つ「Tropical 823SH」、スライドデザインを採用した「PANTONE SLIDE 825SH」など8機種を投入。人気女性雑誌とのコラボレーションモデルやディズニーモバイル向けモデルもそろえた。

夏モデルでは「バスタイムにゆっくりとメールのやりとりをしたい」という女性ニーズを重視した

 一般向けの新端末では、オンライン辞書サイトのWikipediaおよびシャープの液晶テレビ「AQUOS」との連携機能や、GPSナビゲーション機能を搭載したハイエンドモデル「923SH」、約630時間の長時間待ち受けが特徴の「820N」、3.1型ワイドQVGA液晶画面搭載のワンセグ強化モデル「921P」などを投入する。

サービスでは「ドコモ対抗」を強化

 新サービスでは、1台の端末で2つの電話番号とメールアドレスが利用できるダブルナンバーと、通話発信時に文字と画像、動画を相手に送信できる「着デコ」を発表。いずれも、NTTドコモの同様のサービスに対抗したものとなる。

 ダブルナンバーは、NTTドコモの2 in 1サービスに相当するもの。ダブルナンバーでは、「メールや料金請求の利便性を高めた」(孫氏)といい、装飾メール(デコレーションメール)の送受信やファイルの添付を主回線と副回線で利用できる。契約プランや名義、請求先も主回線と副回線で異なるものを設定でき、これにより、1台の端末でビジネスとプライベートを切り分けて利用できるようになる。

個人契約の携帯電話を仕事でも使いやすいように、契約プランや料金請求先を切り分けられるようにした

 着デコはNTTドコモの「着もじ」に類似したサービスに当たるという。着もじサービズに比べ、送信できる文字数が2倍の20文字となるほか、画像と動画も送れるのが特徴。両サービスに対応するのは923SHで7月以降に開始する。利用料金はダブルナンバーが最小で月額840円(主回線と副回線でホワイトプランを利用する場合)から。別途、登録手数料1050円が必要になる。着デコは通話発信1回当たり10.5円となっている。

 新サービスについて、孫氏は「われわれのユーザーでもニーズが高く、新たに始めるなら、(NTTドコモのサービスよりも)上を行くものでなければならないと考えた。お互い刺激になり、サービスの価値を高めていくものなので今後もNTTドコモと競い合っていきたい」と話した。

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