NTTドコモの再生CS向上から、山田新社長が会見ドコモショップを増加

NTTドコモの山田隆持新社長は、顧客満足度向上の施策を展開する方針を表明。新規分野では法人市場の開拓に注力する。

» 2008年06月23日 19時48分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 NTTドコモは6月23日、新社長に就任した山田隆持氏の記者会見を開いた。山田氏は、既存契約者の顧客満足度(CS)向上を図る施策に注力する方針を発表。新規分野では、法人市場の開拓や固定通信サービスとの連携強化に取り組む考えを明らかにした。

山田隆持新社長

 山田氏は冒頭、「より良いサービスで顧客に愛されるドコモを目指し、顧客視点とサービス創造、企業文化の変革に挑戦する」と話し、既存契約者のCS向上に向けて25のプロジェクトを推進していると説明。「ドコモの将来を左右するプロジェクトを実行フェーズに移し、成功させることがわたしの使命だ」と語った。

 CS向上施策の重点項目は、販売店の拡充とサービス品質の向上、ネットワーク品質の改善、現場社員の意識改革を掲げる。

 販売店施策では、現在約2000店舗のドコモショップを拡充し、今年度中に350店舗増加する。このうち、150店を新設するほか、「ドコモスポット」などの名称で展開している約200店舗の小規模店をドコモショップに昇格させ、故障対応など専門性の高いサービスをすべての店舗で提供できるようにする。また、コールセンター業務を本社管轄とし、契約者からの問い合わせなどに迅速に対処するという。

 ネットワーク品質の改善では、小規模な電波不感地帯を迅速に解消するサービスを都内で始める。顧客などの問い合わせに対して、48時間以内に現場調査を実施し、改善を図る。社員の意識改革では顧客視点に立った受付対応を実践するといった日常業務におけるサービス意識の徹底を図るとしている。

 新規分野は、法人市場の開拓による契約件数の拡大、固定網と携帯網を連携する「FMC(Fixed Mobile Convergence)」サービスの強化、モバイルインターネットサービスの高度化、国際化と異業種連携を重点分野に掲げる。

 特に従業員規模300人未満の中堅、中小企業向けには企業内グループの通話定額制サービス、大規模企業向けには無線LAN対応端末を利用して内線/外線通話ができるモバイルセントレックスサービスをそれぞれ訴求していていく。現在、全契約者に占める法人の割合は10%程度で、「近いうちに20%に引き上げたい」(山田氏)という。

 インターネットサービスでは、モバイルサイト検索やGPS、ユーザー情報を組み合わせたサービスを目指す。「例えば、美術に興味があるユーザーが銀座に来れば、展示会とギャラリーの情報がメールで自動的に届くようなイメージ」(山田氏)という。NTTレゾナントやGoogleなどの検索技術も活用し、インターネット上の情報へユーザーがたどり着きやすくするための環境整備も進める。FMCサービスでは、企業向けにも展開する無線LAN対応端末を利用した「ホームU」サービスの普及に注力する。このほか、海外携帯電話事業者への出資や携帯電話を利用した他業種とのサービス開発を推進する。

 山田氏は、「積極的に現場へ足を運んで顧客の声を聞きたい。既存契約者のCS向上が結果的に(口コミ効果で)新規契約にもつながると考えており、ドコモ再生のためには最も確実な取り組みになる」と話した。

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