news065.jpg

YouTubeでの広告事業を拡大か:Googleのディスプレイ広告収入は10億ドルを超える見通し――アナリストの予測

財務アナリストの予測によると、YouTubeの貢献などにより、Googleは2009年にオンラインディスプレイ広告で10億ドル以上の収入を確保する見通しだ。


eWEEK

 Googleが2006年にYouTubeを16億5000万ドルで買収して以来、多くの財務アナリストがこの取引を検証してきた。彼らが注目したのは、人気の高い動画共有サイトからGoogleがどうやって収益を確保するかだ。Googleによると、1時間当たり10時間分という驚異的なペースで動画クリップがアップロードされているという。

 Googleを注視している人々は、同社が動画向け広告を販売するだろうと予想した。しかしこの2年間で明らかになったのは、これをうまくやる方法は必ずしも明白ではないということだ。

 Now Citigroup Investment Researchのアナリスト、マーク・マハニー氏は、Googleは2009年にYouTubeのコンテンツ、Google Video/Images/Maps/FinanceおよびDoubleClick用の広告を販売することにより、ディスプレイ広告で10億ドル以上の売り上げを確保するという予測を示した。

 マハニー氏はこの見通しを述べた6月19日付の調査メモの中で、YouTubeはディスプレイ広告の売り上げでGoogleに5億ドルの貢献をすると予想している。

 さらに同氏によると、Google Video/Images/Maps/Financeの最近のページビューの傾向から判断すると、これらのサイトは同社に2億6500万ドルのディスプレイ広告収入をもたらす見込みだという。DoubleClickについては、2億8000万ドルの売り上げが予想され、Googleのディスプレイ広告収入に大きく貢献すると同氏は指摘する。

 Citiでは、2010年までに米国のオンラインディスプレイ広告市場の規模は112億ドルに、全世界では220億ドルに達すると予測している。この市場では約20%のシェアを持つYahoo!がリードしており、Googleのシェアは約5%でYahoo!の支配を脅かすには至っていない。

 マハニー氏は、YouTubeなどの貢献でこの状況が変化するとみており、Googleは今年以降、オーバーレイ広告によってYouTubeでの広告提供を拡大する可能性が高いという。

 マハニー氏は、参考基準としてMySpaceのCPM(1000インプレッション当たりの価格)を調べたところ、MySpaceの広告に課金される平均CPMは1.13ドルだったとしている。

 同氏のチームは、このCPMをCitiが予測する2009年の7250億ページビューに適用することにより、YouTubeの2009年のディスプレイ広告の総売上高として約8億2000万ドルという推定値を得た。なお、2009年のページビューの推定値は、2008年4月のページビューを年換算した4830億ページビューに50%の増加率を適用したもの。

 さらに同氏は、この売り上げに40%のトラフィック取得コスト率を適用することにより、2009年にYouTubeがGoogleにもたらす収入として5億ドルという数字を算出した。

 マハニー氏は、同じ数式をGoogle Images/Maps/Video/Financeの合計推定ページビューに当てはめ、2億6500万ドルという数字を得た。DoubleClickについては、そのコアディスプレイ広告技術である「DART」により2億8000万ドルの売り上げが見込まれている。

 マハニー氏は結論として、多くの業界関係者と同じ見解を示している。すなわち、Googleは極めて優良な長期的インターネット株であり、eBayやAmazon.com、そして現在苦境に陥っているAOLやYahoo!よりも有利な立場にあるということだ。

 その理由はもちろん検索連動広告にあるが、それに加えて、モバイル検索とディスプレイ広告の分野が比較的未開拓であることも挙げられる。さらに同氏によると、経営も非常にしっかりしているという。

 マハニー氏は疑問も幾つか提起しており、クラウドコンピューティングやモバイルデバイスによるWeb利用といった現在進行中の変化がGoogleにどんな影響を及ぼすのか不透明だとしている。

 わたしの見方では、こういった不安を打ち消す材料もある。Googleは既にクラウド内で強力な存在であり、検索サービスだけでなくアプリケーションビジネスもサポートするデータセンターを急ピッチで建設中だ。同社のアプリケーションはすべてSaaS(サービスとしてのソフトウェア)を通じて提供される。

 またマハニー氏は、モバイルデバイスの分野ではGoogleが従来の検索サービスに匹敵する成功率を達成できるとは思えないとしているが、これに対してわたしは次の質問をしたい――あなたのiPhone、BlackBerryあるいはTreoでは、どんな検索アプリケーションを利用しているのだろうか?

 きっとGoogleだと思う。

過去のニュース一覧はこちら

原文へのリンク

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2010. All Rights Reserved.




キャリアアップ



エンタープライズ・ピックアップ

news004.jpg 世界で勝つ 強い日本企業のつくり方:利用契約の検討――グローバルクラウドで失敗しないために(前編)
2010年以降、クラウドサービスの利用がさらに加速する。サービスを利用する企業はプロバイダーのデータセンターに預けた自社情報を保護するために、法的な要素を理解しておかなければならない。企業が注意を払うべき法的な検討事項を整理する。

news001.jpg IT投資の新方程式:「Twitter使ってます」――現役MS社員が“社員力”を語る(前編)
マイクロソフトが掲げるプロモーションメッセージ「社員にチカラを。ITで企業力を。(以下、BIEB)」からは、ITで社員の生産性を向上することが業績の拡大につながる、といったニュアンスを感じる。そこで気になるのが「じゃあ、マイクロソフトの社員自身はどうなのよ?」ということ。3人の現役MS社員により実態が明らかになる……?

news010.jpg 産業構造を変えるか:「住宅クラウド」の衝撃
住宅都市工学研究所が進める「住宅クラウド」は、クラウドが企業のIT領域にとどまらず、ビジネスのやり方自体を変える可能性を示している。

news010.jpg オルタナティブな生き方 栗原進さん:ネットでリアルを楽しくしたい
SE出身の企業広報マンでありながら、趣味は落語で憧れの人はインディ・ジョーンズとアナログ全開の栗原さんに、ブログを書く理由やネットからはじまるコミュニケーションについて伺った。

news001.jpg 最強最速アルゴリズマー養成講座:トップクラスだけが知る「このアルゴリズムがすごい」――「探索」基礎最速マスター
プログラミングにおける重要な概念である「探索」を最速でマスターするために、今回は少し応用となる探索手法などを紹介しながら、その実践力を育成します。問題をグラフとして表現し、効率よく探索する方法をぜひ日常に生かしてみましょう。