セキュリティアプライアンスに注力するチェック・ポイントOEM供給も展開

チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズが2008年下期の事業戦略を発表。アプライアンス製品や家電などの組み込み製品向けOEM供給に注力する。

» 2008年07月15日 18時10分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは7月15日、2008年下期(7〜12月)の事業戦略に関する記者説明会を開催した。アプライアンス製品などに注力し、セキュリティ管理を容易にするメリットを訴求するという。

杉山氏

 杉山隆弘社長は冒頭、最近のセキュリティ市場ニーズについて、ネットワーク環境への依存度の高まりや勤務環境の多様化、情報保護の細分化、管理やパフォーマンス性の向上を志向する傾向が強まっていると説明。「ネットワークがビジネスのインフラから社会インフラに発展する中で、企業はIDやデータやクライアント、脅威管理などさまざまなドメインのセキュリティ対策を強いられている」(同氏)

 こうした市場動向を受けて、同社は複数のセキュリティ対策機能を統合することによる運用管理の効率化と、データトラフィックのパフォーマンス向上を両立するものして、UTM(統合脅威管理)アプライアンス製品にフォーカスしている。杉山氏は、オープンな環境がセキュリティ対策のマルチベンダー化と複雑な管理環境につながったといい、「企業の生産性と安全性の確保していく上で、同一の(ベンダーによる)セキュリティ対策が求められていく」(同氏)と話した。

 同社はUTMアプライアンス製品として、中堅・中小企業や大企業の拠点向けの「UTM-1」シリーズと大企業やキャリア向けの「Power-1」シリーズを展開する。統合化された単一の管理コンソール「SmartDefenceサービス」の採用や3年間の保守・メンテナンスを含めた包括的な価格体系が強みだという。

PCやモバイルデバイスなどのエンドポイントでは、「接続する機会の少ないデバイスでも包括的なセキュリティ対策でカバーしていく」と杉山氏

 2008年下期は、UTMアプライアンスを中心に既存顧客に対する製品や運用の最適化支援サービス、新規に導入するセキュリティ技術の評価やトレーニング環境の提供、国内サポート拠点の増員(2人→8人)といった強化を図る。さらに、アプライアンス製品の拡販と、家電などの組み込み製品向けOEMの展開強化を目的に、現在50社ほどの提携企業数を2倍の100社に増強する計画だ。

 杉山氏は、「アプライアンスが市場に現れてから約10年が経過し、ユーザー側には一定の評価基準が存在する。われわれは、今のニーズに即した性能と価格で新たなアプライアンスのビジネスモデルを提唱していく」と話している。

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