クラウドコンピューティングというキーワードが最近注目を浴びている。消費者向け、企業向けともに形はあるが、仕組みを支えるインフラとしてNGNに注目してみたい。
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クラウドコンピューティングというキーワードが最近注目を浴びている。クラウドコンピューティングとは、定義はあいまいだが、ユーザー側がコンピュータ側を雲(Cloud)としてとらえ、サーバ側のITリソースを意識することなく、さまざまな端末でアクセスできるというものだ。
クラウドコンピューティングといえば、「Gmail」や「Google Docs」に代表されるようにコンシューマー分野での動きが進んでいる。一方、米国などにおいては、エンタープライズ分野においてのクラウドコンピューティングの動きが顕著だ。グーグルの「Google App Engine」やセールスフォース・ドットコムのPaaS(Platform as a Service)というコンセプト、そしてIBMの「Blue Cloud」やマイクロソフトの「Live Mesh」などがその代表例といえるであろう。
電子メールもクラウド化の方向に向かっているようだ。米調査会社のGartnerは、クラウド型電子メール・サービスが2012年には20%にまで拡大すると予測している。
マイクロソフト(MS)幹部はクラウドコンピューティングへの移行に当たって、5年後には、Exchangeのメールボックスのうち50%はExchange Onlineで提供されるようになると予測している。つまり、5年間で数千万件の企業のメールアカウントがMSのデータセンターに移ることになる。MS社の利益幅は縮小するが、収益は向上するとしている。
クラウドコンピューティングの実現に当たっては、アプリケーションやプラットフォームなどの上位レイヤ、そしてiPhoneのようなモバイル端末などの動向が注目されている。しかし、エンタープライズ分野においての活用を考えた場合は、信頼性やセキュリティの部分も考慮される。その意味で、NGNなどネットワークインフラの役割が重要となっていくであろう。
クラウドコンピューティングにおいては、中小企業が導入して活用するメリットを感じなければ、大企業まで普及していくことはやはり難しい。そこで、中小企業のクラウドコンピューティング実現に当たって、NGNというネットワーク側の切り口で考察してみたい。
NTT東西が3月31日より開始した商用NGNのサービス概要を見ると、既存のサービス(フレッツサービス、ひかり電話、イーサネット)とあまり代わり映えのしない印象がある。しかし、今後、企業において新サービスも提供予定で、特に、名称も機能もまだ正式に公表されていないが、2009年度春頃に予定されている広帯域で品質確保型(QOS型)の企業向けVPNサービスは要注目だ。
SAP改革をトップに説き伏せる方法
アメニティーズは長野県を中心に17店舗のパチンコ店を展開する。競合他社もあり楽観できない経営環境だった。遊技台はデジタル化が進む中で、個別の遊戯台に掛かるコストを低減し、利益を増やし、遊技台の「労働生産性」を高める工夫が必要だ。バラバラだった同社のITをSAPで最適化する取り組みを開始した。
至れり尽くせりのシステムを捨てた――TOMOEGAWAの勝算
TOMOEGAWAは日本における産業用特殊紙のパイオニア。最近では半導体関連製品など先端分野の材料も開発する。同社はSAP ERPにより、ビジネススピードを飛躍的に向上させたという。「至れり尽くせり」で「つぎはぎだらけ」だったシステムをどのように刷新したのか。
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