MSのソフトウェアモデリングプラットフォーム「Oslo」の原点(1/2 ページ)

ノンプログラマーでも分散型アプリケーションを開発できるようにすることを目指したMicrosoftのデータ中心型プラットフォームのルーツは、人々にとって非常になじみ深いアプリケーションにある。

» 2008年09月10日 15時42分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftは2003年、「Oslo」と呼ぶ汎用型ソフトウェアモデリングプラットフォームの開発に着手した。モデルやダイアグラムからアプリケーションを開発できるようにすることにより、より多くの人々がソフトウェア開発に取り組めるようにするのが狙いだ。

 当初の目標は、モデルを作成するためのビジュアルツール、そしてモデルとメタデータを保存するリポジトリを提供することだった。しかし新しい宣言型プログラミング言語の必要性も生じた。その言語は「D」というコードネームで呼ばれた。Microsoftは来月、同社の「Professional Developers Conference」において、このモデル作成ツールとリポジトリに加え、同言語のプレビューを行う予定だ。

 Osloの狙いは、ノンプログラマーに分散型アプリケーションを開発する力を与えることである。Osloの最初のバージョンは、まったくの初心者がアプリケーションを作成することを可能にするものではないが、開発を容易にするという。開発者ベースの拡大にもつながるとMicrosoftでは期待している。

 Osloプロジェクトの責任者を務めるMicrosoftのテクニカルフェロー、ブラッド・ラバリング氏は「ビジネスアナリストのニーズは満たされておらず、そこがこの製品の狙い目だ」と話している。同社のCSD(コネクテッドシステム部門)でOslo言語スタックの開発を担当するパートナーアーキテクト、ドン・ボックス氏は「頭の中のアイデアを簡単にハードディスクに移せるようにすることを目指している」と付け加える。

 ボックス氏によると、Osloはソフトウェアに対する人々のアイデア、要求、希望を取り入れ、「その上でありとあらゆる処理を行えるように」設計されているという。「われわれがやろうとしていることを極めて単純化して言えば、ソフトウェア開発という問題をデータデザインに変換することである。その前提の1つが、人々がそのデータを容易に扱えるようにすることだ。そしてデータを扱う方法の1つが、視覚化、ボックス/ラインデザイナーなどのダイアグラム作成機能、各種のチャートを利用することである」

 ラバリング氏によると、開発ツールとしてのOsloの斬新さは、一般ユーザーにとって親しみが感じられる点にあるという。「Microsoft Accessのユーザーであればもっと身近に感じられるだろう」と同氏。

 「Osloは基本的に、対話型のデータベース開発ツールである」とラバリング氏は話す。「AccessやExcelのようなツールだといえば、想像がつくだろう。しかしこの比較は誤解を招く恐れもあるので、少し注意が必要だ。Osloを知らない人にこのツールの全般的なイメージをつかんでもらうための例えであり、実際にはAccessやExcelとは異なる」とラバリング氏は説明する。

 David Chappell & Associatesのデビッド・チャッペル社長は、既にOslo技術の一部を目にしており、「これはデータを扱ったり、データを作成したりするためのツールだ」と話している。

 ラバリング氏によると、Osloでは個別業務分野に関する知識を、その分野独自のビューで把握することができるという。同ツールは高度なダイアグラム作成にも役立ち、BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)に基づくワークフローやUML(Unified Modeling Language)サービスの開発も可能だという。

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