サン、コンテナ型データセンター「Sun MD」の国内販売を開始

Sun Microsystemsが今年1月に発表したコンテナ型データセンター「Sun Modular Datacenter」の国内販売が10月1日に決まった。コンテナ型データセンターの市場がいよいよ動き始める。

» 2008年09月17日 16時44分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 Sun Microsystemsが今年1月に米国で発表したコンテナ型データセンター「Sun Modular Datacenter」(開発コード名:Project Blackbox)の国内販売が10月1日から開始されることが明らかになった。

Sun MD S20 Sun MD S20

 Sun Modular Datacenterのコンテナは長さが20フィート(6.06メートル)のいわゆる20フィートコンテナを採用。HPも同様のコンテナ型データセンター「HP POD」を発表しているが、HP PODがハイキューブコンテナ(背高コンテナ)を採用しているのに対して、Sun MDは高さが8フィート6インチ(2.59メートル)のコンテナを採用している。機器をフルで搭載した場合の重量は15トンを超える。また、標準ではコンテナ当たり100キロワットの給電能力を備えるが、オプションで200キロワットまでの拡張することも可能。冷却は外部給水による水冷で、チラーからの水圧は最大で80PSIGに達する。


こちらは2007年のJavaOneで展示されていたときのもの

 今回の国内販売に当たり、幾つかの目新しい点も存在する。まず、製品ラインアップとして、既に米国で販売を開始している「Sun Modular Datacenter S20」(Sun MD S20)に加え、「Sun Modular Datacenter D20」(Sun MD D20)を用意した点。両製品の違いは、奥行きの深い19インチラックの搭載を想定しているかどうか。ラックのサイズについて、その奥行きはEIA規格で規定されていないため、今日では奥行きの深いものも少なくない。Sun MD S20では、標準の奥行きサイズ(78.1センチ)の19インチラックを8本搭載可能だが、Sun MD D20では、奥行きの深い115センチの19インチラックを3本と、標準の奥行きサイズのそれを4本搭載可能な構成にしている。Sun MD S20と比べるとラックの数が1本少なくなるが、その代わりに多用なシステム構成が取れるようになった。なお、いずれのモデルも1ラックはネットワーク機器やシステムの監視/管理/制御を行う機器で占められる。

 サンでは、独自のラック配置と統合された冷却システムにより、従来と較べ約8分の1のスペースで1ラック当たり4倍の高密度を実現しながら、40%以上効率のよい冷却が可能になったとしている。なお、PUEは非公開。

 日本の法規制へに準拠するため、認定品の火災警報/消火装置機器も搭載した。コンテナ内部には2個の煙感知器を標準装備しているほか、HFC-227(FM-200)ガスを使用したハロゲン化物消火設備も備える。

 サポート/コンサルサービスの体制も整えた。自社で提供する「Sun MD Site Assessment Service」のだけでなく、NSK、太平ビルケア、日本通運、日本電算設備、能美防災、豊栄機電といった企業と協業して日本国内独自の展開も図る。

 価格は、9865万8000円(消火設備を含む)からで、受注からの納期は標準構成で約10週間。

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