Googleマイマップ、自動保存でリアルタイム公開の怖さネットの逆流(2)(2/3 ページ)

» 2008年11月16日 01時13分 公開
[森川拓男, エンタープライズ編集部,ITmedia]

ブログ、SNS、プロフなどを通じて自ら情報公開

 ケータイの若年層への普及によって急増しているのが、ブログやSNS、そしてプロフ(プロフィール)などへの書き込みだ。

 もちろん、それぞれの利用自体は、何の問題もない。しかし、その利用方法をひとつ間違えると、とんでもない事件に巻き込まれる可能性もあるのだ。

 例えば、プロフなどをきっかけにして知り合い、実際に会うケースがある。これ自体は不思議ではないが、1つ問題がある。携帯電話でのネット利用が広がったことで、ユーザーが自分への書き込みにすばやく返事をする傾向が出てきた。その結果、相手の性格を理解する前に会う約束をし、変質者に遭遇するといったリスクが高まっている。結局殺害されてしまうなどの悲劇もここ数年目立つ。

 自衛する方法はいくらでもある。それは、ホイホイと簡単に、見知らぬ人と「リアル」で会わないことだ。ネットの向こう側にどういう人がいるのかはまったく分からない。特に、携帯電話を使ってプロフに夢中になっているような人は要注意だ。

 何よりの自衛策は「何でもかんでも書かない」ということだろう。

 最初にブログなどを開設した状態では、ニックネームなど最小限の情報以外は、何も書かれていないはずだ。ここに、自己紹介をいろいろ書き込んでいくことで、だんだん形づいてくるわけだが……。こんなことまで書いて大丈夫なのかと思うような個人情報を見かけることもある。当然、ブログやプロフなどのサービスに項目があるといって、すべてを書き込む必要はない。住所など個人を特定されてしまうような情報を公開しないよう注意したい。

 また、ブログに書きこむ内容にも気を付けたい。1つ1つは何のことはない日常の日記であったとしても、情報を組み合わせることで、行動範囲など個人情報が明らかになることがある。その結果、ストーカーに狙われるなどの危険を招いてしまうかもしれない。特に、携帯電話のカメラで写真を撮って、そのままブログに掲載する行為は危ない。知らない人に自分の行動パターンや立ち寄り先などを丸ごと教えることになる。悪意のある人物がGoogleストリートビューなどと組み合わせれば、予想もできないような情報まで奪われてしまうかもしれない。

 もちろん、ビクビクして使うこともないが、むやみに情報を出し過ぎない、という意識を持つことは必要だ。ネットで公開するということは、すなわち「世界中に公開する」ということになることを意識しなくてはならない。

 mixiなどのSNSでは顕著だ。SNSは、アカウントを持っているユーザーしか見ることができないし、公開範囲も定めることができる。そのせいか、自分の犯罪行為を、自慢するべく堂々と告白する人も後を絶たない。

 しかし、その中で公開範囲を定めていない場合では、アカウントを持っている人なら誰でも読めてしまうことを認識していない場合が多いようだ。そして、その画面がキャプチャされ、2ちゃんねるやブログなどを通じて、広く公開されてしまうことになる。さらに、マスコミなどを通じてネットを見ない人の耳にまで届くことになる。

 最近では、ピザを食べていないのにサイゼリヤに返金を求めたのを自慢した揚げ句謝罪して返金した例などが記憶に新しい。最悪のケースでは解雇されることもあるのだから、注意が必要だろう。もちろん、この事例には法律的に立派な犯罪行為が含まれており、その場合は「注意が必要」というような問題ではない。

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