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» 2009年04月03日 08時35分 UPDATE

現場を変える「地雷一掃力」:新人エンジニアは積極的に言い訳をしよう (1/3)

「申し訳ありません。わたしのミスです」――。新人エンジニアのこんな言葉を聞く季節がやってきた。だが、新人はその特権を生かして堂々と言い訳をしてほしい。言い訳は、組織に埋まっている「地雷」を一掃する力になるからだ。

[今上耕介,ITmedia]

 「申し訳ありません。わたしのミスです。不注意でした。今後は確認を徹底し二度と同じような間違いを起こさぬよう努力していきたいと思います」

 今年もそんな言葉を聞く季節がやってきた。新人エンジニアは何度も痛い目に遭い、過ちを繰り返さないように努力して一人前になっていく。少し考えてほしい。皆さんはミスをしたらどのような言い訳をするだろうか。わたしは新人のエンジニアにはぜひとも堂々と言い訳をしていただきたいと思っている。

 言い訳というと冒頭のような言い回しを思い浮かべるという人もいるだろう。平謝りは「学生気分が抜けていませんでした」や「気のゆるみがありました」などさまざまだ。だが、こうした精神論の言い訳は職場の改善に貢献しない。新人には他人に責任をなすりつけるような「言い訳」が望まれるのである。

背伸びした作業は弊害に

 例えば新人エンジニアのA君に先輩からこのような指示が出たとしよう。

 「BサーバにログインしてCサーバとの間のタイムアウト設定を5秒にしてください」

 新人エンジニアのA君は覚えたばかりの知識を総動員してBサーバにログインし、なんとかしてシステム管理画面を開く。そして「TimeOut」という設定値を探し、5を入力して反映させる。ほどなくしてサーバ監視端末の画面は緑から黄色、そして間髪を入れずに赤色へと変わり、けたたましくアラームが鳴り響くのであった。「申し訳ありません……」

 このように設定内容の意味を理解せずに作業を進めるのはとても危険だ。A君は自分の作業が障害を招いたことは分かっても、何が原因だったか理解できないだろう。本来ならば必要な知識をすべて身につけてから職場に出てもらいたい。だが、現場にそんな余裕がなく、実際の作業を通して知識や経験を身につけていくことも少なくない。背伸びした作業をする必要がある場合、障害が発生しても新人自身がその原因を見つけられないため、反省や成長につなげられない。

理にかなった言い訳の大切さ

 「なぜ障害が起きたか」という問いに、A君がこう言い訳したらどう思うだろうか。

 「先輩の指示通りに作業をしたつもりでした。しかしタイムアウトが何かを知りませんでした。先輩の障害原因の切り分けを見ていると、BサーバとCサーバとの間でタイムアウトが起こっているというやり取りから、自分が設定したのはBサーバがCサーバからの応答を待つ『待ち時間の上限』であったことを初めて認識しました。そしてマニュアルを調べると、タイムアウトの値は“秒”でなくて“ミリ秒”で設定することが分かりました。この2点を理解しないまま作業を進めたのが失敗の原因です」

 この言い訳を聞いて、A君のことを悪くないと思う人が多いのではないか。そう、この件は新人に対する仕事の依頼方法に問題があり、A君だけが悪いのではない。もしA君が冒頭のように「自分のミスだった」という言い訳に終始してしまったらどうなるか。その職場では新人にこうした依頼をすることが悪いという意識が生まれず、来年以降も新人に同じように作業を依頼し、同じような障害を起こしてしまう。

 新人のうちは、依頼された作業の全容が見えないことは仕方がない。依頼内容に自分が知らない部分があっても、自分で調べて納得してから作業に入るほど時間に余裕がないことも多いだろう。こうした場合にすべきことは、「作業を遂行できるが、その意味が分からなくて不安だ」とその場でSOSを出すことである。

 そうすればたとえ先輩が忙しくしていても、せめて作業の山場には帯同してもらえるし、時間があればその場で必要な知識を教えてもらうこともできる。もしそのプロセスが飛ばされて不幸な結果を引き起こした場合は、上司、先輩関係なく、その担当者を容赦なく悪者にすればいいのである。

- A君側
1 作業対象のシステム概要を知らない
2 依頼内容を理解していない
3 作業をする理由を理解していない
4 作業失敗時の影響や重大性を意識していない
5 作業結果が正しいかどうかを判断できない

- 依頼する側
1 A君の知識や作業歴を把握していない
2 操作の説明や訓練を行なっていない
3 指示にあいまいな点がある
4 事後確認をしていない

表1:言い訳で明らかになる問題点の例

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