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» 2009年05月21日 08時51分 UPDATE

ITのコミュニケーションが失敗する理由(1):社内ブログ活性化の条件 (1/2)

2003年に社内ブログを早々に導入した企業があった。しかし、経営者の判断により、遊び要素の記入を禁止した結果……。人材育成、組織開発コンサルティングを手掛ける大木豊成氏にITのコミュニケーションが失敗する理由を聞いた。

[大木豊成,ITmedia]

社内ブログに関するブロガーの意見はこちらです。


 わたしが以前、システム開発会社の経営企画室を見ていた2003年当時、社内コミュニケーションの向上を図ることを目的として、一人のエンジニアと一緒に社内にブログを導入してみた。Movable Type1.xの頃だった。

 まだブログは日記ツールくらいに思われていた時期だが、社内向けの情報発信ツールとして活用できるのではないかと考えていた。社員で集まり、ブログについていろいろと議論し合った。社員の多くがエンジニアであることも、ブログに対する興味がわくきっかけになった。

 社員で話し合った結果、ブログにはあまり公私の区別をつけずに情報発信をすることが、より読まれるようになるのではないか、ということになった。

 ただ、その会社の社長からは、「社員の日報に使いたい」というニーズが出てきたため、当初話していたような「飲み会の連絡」や「週末のバーベキューパーティー」などに利用することはできなくなった。結果として、これが原因となってブログはほとんど活用されることがなくなり、その後も新入社員が毎日の研修について報告する程度にとどまることになった。

 日本の多くの企業では、外部のブログやSNS利用への規定を設けていない。mixiや無料ブログの個人利用に対するものだ。だから、大半の企業の社員は、匿名で書くことになっているのが実情だ。

 しかし、自社の社員が社外で利用するツールのルール化こそ、社内ブログや社内SNSの導入に必要なポイントが盛り込まれているのだと思う。いまの時代に、社内でブログやSNSを利用するなというのは、携帯電話の利用を禁止していることに近いものがある。

 社外利用だからルール化しづらいと考えがちだが、会社員がブログを利用する場合、生活の多くを占めている仕事に関する情報を避けて通ることは容易ではない。そのことをルール化するのは、自然なことだ。

 同様に、社内ブログや社内SNSを導入する企業も、大半は利用に対する「上手なルール」を設けていない。設けていないのだが、管理職や経営者のお気に召さない利用のされ方が始まると、途端に制限をかけ始めることがある。いわゆる後出しジャンケンだ。これではコミュニケーションは活性化しない。

 また、社内ブログや社内SNSを導入する際には、例えば販売管理システムや生産管理システムなどの管理システムとは全く異なることを考えておく必要がある。導入すれば、誰もが利用するものでもないということだ。

 ブログやSNSは活性化してこそ、企業が導入した意味が出てくる。つまり、導入直後に効果が出てくるものではないのだ。わたしはこれを「漢方薬のようにじわじわ効いてくるもの」という表現をしている。すぐにROI(投資利益率)が出てくるわけではない。しかし、こういった活動を行うことで、後々意味のある意見や提案を引き出す仕組み作りができるのだと考えている。

 ここで経営者や管理職として考え得ておくべきことは、なぜ社内ブログや社内SNSを導入したかったのか、ということだ。社内のコミュニケーションを活性したかったのか、あるいは情報収集をしたかったのか、あるいはトップからのメッセージを発信したかったのか、といったようなことだ。

 経営者や管理職の皆さんは、それに何をコミットするのかということだ。仮にコミュニケーションの活性化を考えていたのであれば、経営者が自ら発信することも考えられる。部長ブログを作って発信することもあり得る。ブログにこだわらずに、SNSを使うことも考えられる。コミュニケーションの活性化が目的なら、コミュニティーは飲み会やプライベートなものも認めるほうがいい。

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