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» 2009年08月21日 08時24分 UPDATE

システム構築の新標準:プライベートクラウドが引き起こす化学変化――ミサワホームの北上CIOに聞く (1/2)

住宅大手のミサワホームで情報システム担当部長を務める北上義一氏に、クラウドコンピューティングによる変化について聞いた。

[聞き手:怒賀新也,ITmedia]

 企業が情報システムをプライベートクラウド上に載せた場合、サーバやストレージの管理業務が減るなど、従来とは異なる運用をすることになる。住宅大手のミサワホームで情報システム担当部長を務める北上義一氏に、情報システム部の役割についてのこうした「化学変化」について聞いた。

misawa.jpg プライベートクラウドの課題について話す北上CIO

ITmedia ミサワホームにおけるプライベートクラウドへの取り組みについて教えてください。

北上 「プライベートクラウド」の定義にもよりますが、1996年に経営戦略情報システムとして、数十社に上る関連会社が横断的に利用するシステムを企画開発しました。当時からしばらくはクライアント/サーバ型でしたが、今から6年ほど前にシステム再構築を実施したとき、マルチテナント型のSaaS(サービスとしてのソフトウェア)の仕組みに切り替えました。北海道から九州にいたるまで、どの関連企業も「使いたいなら明日からでも利用できる」というシステム利用体制を整え順次推進してきたのです。

 もちろん、各関連会社のすべての情報を見るわけにはいきませんので、「守秘義務の高い決算情報は見ません」「受注情報などのグループ戦略に活用すべき情報は共有化しましょう」といった情報の取り扱いに対する取り決めはしました。これにより、各社が自前で構築する場合の10分の1くらいのコストでシステムを利用できるようになりました。インターネット越しでサービスを提供した上で、その資源をわれわれが集中管理し、ワンソース、マルチユースという仕組みとなっています。その良さは全グループ企業に伝わったと考えています。

 プライベートクラウドの実現には、サーバやストレージなどのインフラの仮想化やSOA(サービス指向アーキテクチャ)といった技術も資源の稼働率を高める鍵を握ります。グループ企業に対してシステムをもって業務標準を推し進めることになるプライベートクラウドは、必然的に部分最適から全体最適へと視点を移すことになります。その時に、仮想化技術を用いたインフラ統合などを実施する必要があるのです。

 SOAでグループシステムを全体最適させる場合に、最初にやらなくてはいけないことがあります。それがコード体系の標準化です。会計勘定科目の意味の統一はもちろんですが、企業間で異なっている社員コード、取引先コードなどを一元管理しなければ、企業として適切な判断を下すためのビジネスプロセス管理ができないため、全体最適にはならないわけです。それだけコード体系の整備は重要なのです。

 また、組織は毎月のように変化していきます。システム機能を利用する権限や認証の管理もサービスの仕組みの中でできなくてはいけません。

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