Netbook、企業での利用はまだまだ性能もセキュリティも(1/2 ページ)

Netbookと呼ぼうがウルトラポータブルと呼ぼうが、現在のNetbookは性能的にビジネスユースにはまだ不十分だ。

» 2009年09月07日 17時00分 公開
[Don Reisinger,eWEEK]
eWEEK

 ソニーは9月2日、独ベルリンで開催のIFA 2009においてウルトラポータブル型ノートPC「VAIO X」を発表した。この製品は11.1インチディスプレイ、Atomプロセッサ、3Gネットワーキング技術を搭載する。同社は、これはNetbookではないとクギを刺している。

 しかしそのスペックを、ソニーが最近発表したNetbookシリーズ「VAIO W」(あるいは市場に出回っている各社のNetbook)と比較すると、ノートPCよりもはるかにNetbookに近い。ソニーの新しいウルトラポータブルPCの実体はNetbookだといえなくもない。

 しかしソニーはなぜ、このPCを「ウルトラポータブル」と呼ぶことにこだわっているのだろうか。Netbookであることは別に悪いことではないように思えるのだが。

 米市場調査会社DisplaySearchの報告書によると、可搬性と低価格という魅力を備えたNetbookは、ノートPCの市場を浸食し始めているという。Dell、Hewlett-Packard(HP)、Acerなどの企業が参入したこともあってNetbookの販売が非常に好調であるため、ノートPC市場全体では、最近の四半期売り上げが前期および昨年同期を上回る成長を示している。今日の市場状況にあっては、Netbookをエンドユーザーに提供するのは賢明な選択であるように思える。

 しかし特定のコンピュータがウルトラポータブル型ノートPCなのかNetbookなのかを区別するのは、次第に難しくなってきた。以前であれば、11〜13インチのディスプレイを搭載したウルトラポータブルと7〜9インチのディスプレイを搭載したNetbookを容易に区別できた。

 しかしNetbookの人気が拡大するのに伴い、その画面サイズも拡大した。ソニー自身も10インチのディスプレイを備えたNetbookを提供している。一方、Dellは最近、12インチディスプレイのNetbookの生産中止を決定した。しかしHP、Acer、ASUSなどのメーカーでは、大画面を搭載したNetbookの販売が好調だ。

 これらの製品とウルトラポータブルのスペックを見比べた場合、両者を区別するのは非常に困難だ。NetbookはIntelのAtomプロセッサを搭載するが、ウルトラポータブルもAtomを搭載する。Netbookは3Gネットワーキング機能を備えるが、同技術を備えたウルトラポータブルも登場しつつある。最近では両製品の価格差も小さくなっているため、両者の違いがますます分かりづらくなっている。

 製品カテゴリーの名称は重要ではないかもしれないが、その製品で何ができるかというのは重要だ。企業のニーズは変化しつつある。かつては、業務でデスクトップPCを使用しないというのが、とっぴな考え方だと思われていたのだ。

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