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» 2009年09月13日 11時19分 UPDATE

本を書くということ:ソフトバンクで身につけた仕事術は生きる〜Part4 (1/2)

執筆の時間を確保するため、生活リズムを見直しました。朝5時半に起床は変わらないのですが、起きたらまず書くことを頭の中で整理します。

[大木豊成,ITmedia]

 書籍『ソフトバンク流「超」速断の仕事術』(ダイヤモンド社)の著者であるオルタナティブ・ブロガーの大木豊成氏に読みどころを紹介していただく寄稿の第4回。第1回はこちら、第2回はこちら、第3回はこちらです。


 長く仕事をしていると、中には「これは本にすると売れるんじゃないか」などと思うことがあります。でも実際に本になったことはありません。どうすれば出版社に持ち込めるのかが分からないこともありますし、なんとなく面倒になってしまうのだろうということなのでしょう。

 わたしの場合、2008年3月にダイヤモンド社から出版された『ファシリテーターの道具箱』を書いたことから、編集担当の方と知り合う機会ができ、その方に「本を書いてみたい」と相談したことから始まりました。

 日本の場合、社員が出版することに関して明確な基準を設けている会社は少ないようです。わたしの場合は、ソフトバンクを退職した後から準備を始めました。

 もちろん、何か暴露本のようなものを書きたいわけではないので、きちんと手順を追って進めたわけですが、いざ書き出して見るとあれこれ考えが飛び散ってしまうのです。仕事の準備について書きたい、マネジメントについても書きたい、なかなかまとまらなくなるのです。

 出版の企画というものは、どういう本であるかによって違うのですが、

  • 1.どういったことをどういう背景に基づいて書こうとしているのか
  • 2.目次

 といったものをまとめるところから始めます。それがそろってはじめて企画会議にかけていただけるわけです。また、目次がそろえば書く内容が明確になるので、後が楽になります。

 わたしの場合は、目次に3カ月ほどの時間をかけました。仕事をしながらの3カ月であるわけですが、上手な方であればもっと短縮できるのだと思います。しかし書き慣れていないわたしは、編集の方と何度もミーティングを重ね「何を伝えたいのか」「そのメッセージを、誰が読むのか(どういう読み手を想定しているのか)」という二点で苦しみました。

 この二点さえ決まればすらすらと書けるのかもしれないのですが、この二点の絞り込みが難しい。ビジネス書の場合、経営者を想定すると、ほぼ売れないものになってしまうようです。それは、経営者が少ないこともあるのですが、他人が書いた、自分とは違う意見を読もうとする経営者が少ないこともあるのだと思います。世の中には、逆に自分の意見を押しつけたがる経営者のほうが多いのかも知れません。

 今回の『ソフトバンク流「超」速断の仕事術』(ダイヤモンド社)の場合は、三十から四十歳代半ばくらいの方を想定して書き始めることにしました。読者層を設定すると書きたいこと、伝えたいことも見えてきます。自分の頭の中でもやもやしていたことが、だんだんと明確になってきました。こうなると書くことが楽しくなってきます。

会社員の執筆時間はどうやって確保するのか

 しかし、今度は執筆する時間の確保が難しくなってきました。いままでは、起きたら朝早く家を出る子どもと一緒に朝食を食べ、その後シャワーを浴び、犬の散歩に行ってから家を出ます。家を出る時間は厳密ではありませんが、だいたい7時半くらい。都内に住んでいるので、8時くらいにはオフィスに着くことができます。

 執筆の時間を確保するために、この生活リズムを見直すことから始めました。朝5時半に起床は変わらないのですが、起きたらまず書くことを頭の中で整理します。6時に朝食を摂り、シャワーを浴びます。犬の散歩も変わりませんが、家を7時には出るようにしました。そしてオフィスの近くのカフェで執筆をします。ここで1時間を確保できるように変えたのです。

 もちろん平日だけでは足りないので、週末も平日同様に起きれば1時間程度は確保できますので、週に7時間、月間30時間確保できるようになったのです。もちろんそれ以外の時間も書けるときは書きますし、移動中もいろいろと頭の中で整理を行ない、iPhone にメモを入れるようにしました。

 少し話がそれますが、iPhone はこういう時に、本当に便利でした。わたしは「ToDo 」というアプリを使っています。このアプリをWeb上の「Toodledo」という無料サービスと同期させています。そのため、万が一忘れていてもリマインドしてくれるわけです。こうやって、自分が考えたことを後でも確認できるようにして、執筆を進めました。

 会社勤めをしていると、資格を取ることが難しいという話を聴くことがあります。それは、勉強する時間を確保するのが難しいからです。わたしもそれは分かります。学生時代とは違い、どんどん差し込みで仕事が入ってきますし、時間が空いたときには疲れ果てて、勉強などする気になれない。

 わたし自身、社会人になってから幾つかの資格、またPMP(プロジェクトマネジメントに関する国際資格)といった認定について勉強しました。特にPMPは40代になってからでしたので、かなり工夫しなくては難しいと思いました。とにかく朝の時間をどうやって確保するかに勤めました。夜では疲れていますし、お酒を飲んでしまっては難しくなります。朝の時間をどのように使うかが大きなポイントだと考えています。

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