ワンクリック詐欺の相談が過去最悪に――IPA調べ

アダルトサイトによる不正請求が大半を占めるものの、競馬予想など新たな手口が出現していると、IPAは注意を呼び掛けている。

» 2009年12月03日 17時22分 公開
[ITmedia]

 情報処理推進機構(IPA)は12月3日、11月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を公表した。ワンクリック詐欺の不正請求に関する相談が過去最悪になり、注意を呼び掛けている。

 ワンクリック詐欺に関する相談件数は903件で、7カ月連続600件を越える状況となった。アダルトサイトを中心に「競馬予想」と称する手口も出現するなど、年齢や性別を問わず被害にあうケースが目立っているという。

ワンクリック不正請求相談件数の推移

 確認されているケースでは、無料のポルノ動画を見ようとしたユーザーが検索サイトなどからアダルトサイトに誘導されてマルウェアに感染し、料金を請求するメッセージを繰り返し表示して、心理的に追い込む手口があった。

 ユーザーは、動画を閲覧しようとアダルトサイトで幾つものページを移動しているうちに注意が散漫になってしまう場合が多い。その間に「年齢確認」や「利用規約」などのメッセージが表示されるものの、内容が鮮明ではなく、ユーザーはつい「はい」とクリックしてしまいがちになる。最終的に不正請求ページにたどり着いて、料金を振り込むように仕向け、動画を再生しようとするとマルウェアに感染してしまう。

ワンクリック不正請求の手口

 内容確認や利用規約で「はい」と押すと、ユーザーが同意の意思表示をしたと責任を問われる場合もある。IPAは、内容を十分に確認して同意すべきかを慎重に判断すること、未成年者がいる家庭ではフィルタリングのソフトやサービスを利用してこうしたサイトへ家族がアクセスしないようにする対策を勧めている。

 11月のウイルス検出数は、前月並みの約7万個で、届出件数は同5.8%減の1140件だった。検出数トップは「W32/Netsky」の約6万2000個だった。不正アクセスの状況は、届け出件数が11件で、被害があったものは6件。内訳は不正侵入が1件、なりすましが5件だった。

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