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» 2009年12月27日 17時14分 UPDATE

伴大作の木漏れ日:2010年という年 (1/3)

クラウドコンピューティングがビジネスになっているベンダーはほとんどないようだ。企業がクラウドを導入しない理由が存在するからだ。だが、確実に動いていることもある。

[伴大作,ITmedia]

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 思えば2009年はICT業界にとって「暗黒の年」であった。ICTに絡むすべての企業は業績不振に見舞われた。その中にあって「クラウドコンピューティング」だけが、IBMが必死に宣伝した効果もあってなのか、唯一注目を浴びた。

 しかし、そのクラウドも掛け声倒れの気がしないでもない。実際、どのベンダーに聞いてもクラウドでビジネスになっている企業はほとんどないようだ。

 今回の木漏れ日では「民主党」のように見かけ倒しの感がする「クラウド」について、なぜこの技術が重要なのかについて、もう少し深く考えてみようと思う。

クラウドは結局サーバベースコンピューティング

 2009年、コンピュータ業界の景気が全体として悪かった原因の1つとして、Netbookの爆発的に売れゆきを挙げる識者が多い。確かに、大手量販店のPC売り場をのぞくと、PCより、Netbookの展示スペースの方が大きいように見える。

 価格も、Netbookが携帯オペレーター各社の販売補助金のおかげで、ほとんど「タダ」か、わずかな出費で買えるのに対し、同じようなB5サイズのノートを買うと15万円以上が当たり前だ。それなら「まあNetbookでいいか」と多くの人が選択するのも至極当然だ。15万円を24回の分割で支払い、モバイル端末を別途契約すると毎月の支払いは確実に1万円を超える。それに対し、携帯オペレーターの販売促進でNetbookを購入すると6000円程度。差は明らかだ。

 Netbookが売れた理由はほかにもある。モバイルブロードバンドの普及だ。2007年まではブロードバンド=固定という考え方が強かった。事実、僕はノートPCを常に持ち歩いているが、インターネットへの接続は、自宅か知り合いの事務所でLANに接続させてもらっていた。それが普通だった。

 しかし、イー・モバイルがモバイルブロードバンドサービスを開始したことで、外出先での接続はすべてそれに頼るようになった。ネットへの接続形態が変わったのだ。

 さらに、Netbookが普及した理由として考えられるのが個人利用だ。PCの価格が下がったとはいえ、まだまだ、個人がちょっと買おうかという値段にはほど遠い。個人ユーザーが気軽に買って利用する価格帯は、結局1万円から3万円の間なのだ。Netbookはこの価格帯に収まっている。この価格の問題は、同じくモバイルブロードバンド接続を前提にしたiPhoneと重なる。

 iPhoneはiTunesを代表とするAppleの世界であり、Netbookは圧倒的な広がりを持つインターネットの世界だ。いずれにしても、きょう体の中に収められたアプリケーションとかデータではなく、インターネットを前提としているという点が共通している。極論するなら、それらはある意味でシンクライアントの1つの形だ。

 それに対し、同じような大きさだが、伝統的なPCはインターネットへの接続はもちろん可能だが、自らのマシンに搭載されたアプリケーション(ほとんどはマイクロソフトのOffice)を前提としている。小さなきょう体の中にギッシリと機能が詰め込まれて、性能を追求し、長時間駆動を実現しようとしている。それはまるで「苦行僧」のごとくだ。

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