「GSMの暗号破り」に業界団体が反論、安全性を強調

携帯電話の盗聴を防ぐための暗号が破られたという報道に対し、業界団体のGSMAが「実際的なGSM攻撃からはほど遠い」と反論する。

» 2010年01月08日 09時29分 公開
[ITmedia]

 米国などで広く普及しているGSM方式の携帯電話に使われている暗号が破られたとメディアなどが報じたことについて、携帯通信事業者の業界団体GSMAが安全性を強調する見解を発表した。

 問題となっているのはGSM方式の携帯電話で盗聴を防ぐために使われている「A5/1」というアルゴリズム。GSMAは12月30日付でサイトに掲載した声明の中で、「A5/1アルゴリズムが理論的に解読可能だとする学術論文が多数発表されているが、運用中の商用GSMネットワークに対して通用し得る実際的なA5/1攻撃につながったものは、これまでのところ1つとしてない」と強調した。

 GSMAによると、2007〜2008年にハッキンググループがA5/1に対する攻撃手法を確立したと公言したのに続き、09年には別のグループが同様の発表を行った。しかしこのグループは、実際の通話を盗聴しようとした場合の複雑さを過小評価しているとGSMAは指摘。同研究は実際的なGSM攻撃からはほど遠いと主張している。

 一方で、「業界はGSMネットワークのプライバシー保護強化に努めている」とGSMAは強調し、暗号強度を高めたアルゴリズムの「A5/3」を開発し、段階的にA5/1に入れ替えていくと表明した。

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