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» 2010年08月19日 08時00分 UPDATE

デジタルPRの仕掛け方:トリプルメディア時代の企業プロモーション (1/3)

iPadなどのデジタルデバイスの普及は、企業と消費者のコミュニケーションの在り方に変化をもたらしている。消費者に正しく情報を届けるために、企業は何をすべきか。今回は商品やサービスの流行を作り、トリプルメディアを生かしてメッセージを伝えるための考え方を紹介する。

[野崎耕司(ビルコム),ITmedia]

 iPadなどのデジタルデバイスの普及は、企業と消費者のコミュニケーションの在り方に変化をもたらしている。次々と登場する新しい端末やメディアを介して消費者に企業のメッセージを伝えるためには、「デジタルPR(デジタル領域に精通したプロモーション手法)」の概念が重要になる。前回はこのことをGoogleや味の素のプロモーション事例から紹介した(Googleのユーザー至上主義から学ぶ企業プロモーションの在り方)。今回はトリプルメディアを生かしてデジタルPRを実現する考え方を紹介する。

ストーリー構築で差別化するデジタルPR

 インターネット環境やデジタルデバイスの進化に伴い、新たなメディアが続々と誕生している。特にブログや動画共有サイト、TwitterやSNSなどを含むソーシャルメディアの台頭には目を見張るものがある。

 こうした中、ブロガーの懇親会やサンプリング商品の提供によってブログ記事を増やす「ブログマーケティング」や口コミによる認知度の拡大を狙った動画「バイラルムービー」によって、商品が一時的に注目を集める現象が起こった。だがマーケティング視点で見ると、このような一過性のブームは企業のマーケティングの根本的な課題を解決したとはいえない。

 これを解決するのがデジタルPRである。モバイル端末やデジタルサイネージ(電子看板)などのデジタル領域を軸に、ブログマーケティングや口コミマーケティングなどを展開することで、無数に飛び交う情報を統合的にプランニングする手法である。

 言い換えると、企業が一方的に情報を拡散させるのではなく、情報全体にストーリーを持たせ、消費者にメッセージの理解を促進させるというコンセプトである。デジタルPRの展開において企業が心掛けるべきことは、戦略的課題から導き出した施策全体に一貫するストーリーの構築である。単発の施策展開は望ましくない。

 ここで言うストーリーとは、「事実(ファクト)形成→市場啓もう→ブランド認知→差別化訴求→購買誘引→顧客のファン化→エンゲージメント(きずな)の強化」というプロセスから成り立っている。大切なのは、自社のマーケティング活動がこの一連のストーリーのどの部分に位置しているのかを正しく認識することだ。課題を因数分解し、各プロセスと照らし合わせながら、プロモーション施策の目的を設定することが求められる。

 例えば、「新製品の発売」など話題を作り出すファクト(事実)を持ちながらも、市場の啓もうに課題を感じている例を考えてみよう。もし企業が消費者に気付きを与えるステップに立っている場合、目的は「新しい市場のメリットの認知」になる。この場合に考えるべきことは、情報発信の際の「伝える質」「伝える量」「伝える素材」である。

 3Dテレビなど、市場が新たにできたばかりの商品やサービスは、消費者にその良さは伝わりにくい。企業は商品のメリットに加え、市場全体の価値を消費者に気付いてもらうようにしなければならない。

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