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» 2010年09月21日 17時15分 UPDATE

salesforce.comも導入済み:シーゴシステムズ、I/O仮想化コントローラの新製品を発表

シーゴシステムズはイーサネット対応のI/O仮想化コントローラを発表した。

[大西高弘,ITmedia]

既存のサーバ環境にもすぐに接続できる

to1.jpg I/O仮想化コントローラ「Xsigo VP560 イーサネット」

 9月15日に発表されたのは、I/O仮想化コントローラ「Xsigo VP560 イーサネット」「Xsigo VP780 イーサネット」の2種類。VP560は2U、I/Oモジュールスロット数は4スロット。VP780は4U、I/Oモジュールスロット数は15スロット。サーバポートのポート数、ポート帯域は両製品とも、32イーサネットポートで、10Gbps(1Gbpsにも対応する)。

 同社のこれまでの製品は、InfiniBand(インフィニバンド)対応の仕様だったが、今回は既存のサーバ環境にもすぐに接続してI/O仮想化を実現できることを目的に、イーサネット対応の仕様となった。

 「イーサネット対応になったことで、レガシーのサーバにもすぐに接続して、I/O仮想化のメリットをユーザーに実感してもらうことができる。その上で、システム増設の際には高速、高品質なインターコネクトであるインフィニバンドを利用していただく土壌を作っていきたい」とシーゴシステムズ・ジャパンの尾方一成代表取締役は語る。

 また、米シーゴシステムズ 事業開発担当副社長のS.K.ビノッド氏は、「今回発表した製品は、イーサネットのファブリックを経由してFC SAN、iSCSI、NFSなどの各種接続形態を自由に選択し利用できる。また、オンボードの標準NICに対して特別なアダプタカードなども必要ない。サーバに接続してドライバをインストールするだけでいい」と話す。

クラウド環境の構築を容易にする

to2.jpg 米シーゴシステムズ 事業開発担当副社長のS.K.ビノッド氏

 クラウド環境の構築において、サーバ、ストレージ、ネットワークの各階層で仮想化技術を活用することはよく知られているが、I/Oという分野での仮想化についてはそれほど一般化していない。

 ビノッド氏は次のように説明してくれた。

 「I/Oの仮想化というのは、ストレージやネットワークの仮想化に対して、サーバI/O仮想化の提供と考えてもらえばいい。サーバに入っているHBAやNICといったカードをサーバから引っ張り出して集約し、コントロールする。われわれの製品の先にはネットワーク機器、ストレージなどがありこうした接続の自由度を限りなくシンプルにしていく」

 尾方氏は次のように話す。「1つの物理サーバに4台の仮想マシンという構成であればI/O構成は6ポートで足りるかもしれない。しかし、1Uで24コアのサーバなども出てきている。1コアに1台の仮想マシンとして計算しても、24台の仮想マシンが乗っていくことになる。こうなると物理的に、ケーブルが渦巻き、アダプタカードは増え続け、その分管理工数も膨大になる。サーバとストレージの仮想化は進展しており、これらのリソースをどう最適化するかが課題になっている。しかしその前に物理的な環境において、アダプタカード、ケーブルなどによって最適化の課題は足踏みをさせられている」

 仮想化が進展していく中で、関連の設備投資をいかに削減するかは喫緊の課題だ。しかし現実には、サーバ増設に伴いPCIスロットがほしいだけのために、2U、4Uの大きなサーバ製品を選択せざるを得ないケースもあるという。

 「I/O統合仮想化ソリューションを導入すれば、たった2本のケーブルで40Gバイト、80Gバイトという広域の帯域を提供できる。それなら2スロットがあればいいので1Uサーバで事足りる。これは省スペースという意味では非常に大きいはずだ」(ビノッド氏)

オープンな環境でリソース管理もシンプルに

to3.jpg シーゴシステムズ・ジャパンの尾方一成代表取締役

 I/O仮想化のメリットはケーブル本数を減らしたり、データセンターの省スペース化を実現したりするだけではない。I/Oを仮想化することで、リモート運用も簡単にできるようになるという。

 「遠隔地にあるデータセンターのサーバ構成変更というシーンを考えてみる。そこでは仮想サーバが1台、NICポートが2ポートという状態で運用している。しかし急に仮想サーバを10台に増設するとなったらどうするか。I/O仮想化ソリューションを導入していれば、10ポートのNICを増設するというコマンドを投げるだけでいい。サーバを止め、ラックから引き抜いてカードを増設し、ドライバを入れて、サーバを起動してぞれぞれのNICに対してIPアドレスを設定するという作業を現場に行って行う必要はない」と尾方氏は語る。

 このリモート作業は、OSやハイパーバイザーの種類、サーバの種類などによる制限はない。オープンな環境でオンサイト作業を低減させていくことができるという。同社ではこれをマルチファブリックの提供と呼んでいるが、これはクラウドをサービスとして提供する事業者にとっては非常に大きなポイントとなる。仮想サーバごとに異なる接続要件に対応できるということは、仮想サーバごとにネットワークを分離したい場合も確実にシーゴ製品で管理することが可能になるからだ。I/O仮想化コントローラでは、各仮想マシンの接続状況が可視化できるため、マルチテナントでクラウド環境を提供する事業者は、顧客ごとにネットワークを分離し、顧客に安心してクラウドを活用してもらえる。

 

各ハイパーバイザーとの連携も密接に

 新製品発表では、salesforce.comのシーゴ製品導入の概要についても紹介された。

 salesforce.comはシーゴ製品の導入で、筐体1台当たり98本のケーブルを6本にまで軽減し、大口顧客がサービスを利用するリードタイムを2週間から3日にしたという。また、ファイバーチャネルとイーサネットスイッチポートを合計1200ポート削減し、100万ドル以上のコストを削減した。salesforce.comはインフィニバンド対応のシーゴ製品を導入しているという。

to4.jpg salesforce.comが実現した筐体のケーブル本数削減

 「当社製品は主要仮想化ベンダー製品とも連携しており、両者を統合管理することも簡単です。今回、イーサネット対応製品を出したことで、I/O仮想化についての関心が広がっていくことを期待しています。当社は仮想化技術が浸透し、クラウドサービス市場が広がる段階でI/O仮想化の必要性を見抜き、製品開発を進めてきました。要件に応じた帯域保証も行い、FCoEなどの新しい技術にも対応できる当社製品の魅力をさらにアピールしていきたいと考えています」(尾方氏)

 「Xsigo VP560 イーサネット」「Xsigo VP780 イーサネット」のそれぞれの希望販売価格は525万円(税別)、675万円(税別)から。10月末より出荷開始する。

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