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» 2010年11月25日 08時00分 UPDATE

伴大作の木漏れ日:ドコモのLTE vs UQ WiMAX――勝ち残るのは? (1/2)

データ通信の高速化競争が激化しつつある。渦中にあるNTTドコモとUQコミュニケーションズだけでなく、他キャリアにも影響を与えそうだ。

[伴大作,ITmedia]

 NTTドコモは11月8日、2010年末(正確には12月24日)からサービスが始まるLTE(Long Term Evolution)サービス「Xi(クロッシィ、と読む)」について、サービスの詳細を発表した。KDDIが進めているUQ Wi-MAXとの高速モバイルブロードバンド戦争もいよいよ本格的なステージに突入する。

気になるのは料金

 最も気になるのは、やはり料金である。あまりに高いと使う気にはならないからだ。ドコモの発表によると料金体系は「Xiデータプランにねん」と「Xiデータプラン」の2種類があるようだ。

 Xiデータプランにねんは、従来のデータサービスと同様、2年契約の縛りがある。料金は下限が月額1000円、基本データ量となる3メガバイトを超えると、1キロバイトごとに0.315円が加算され、20メガバイト以上5ギガバイト未満の範囲なら6510円になるという、2段階定額制だ。

 ただし、従来のサービスの場合、どんなに利用しても月額6510円という「天井」が定められていたのに対し、新サービスでは5ギガバイトを超えた場合、2ギガバイトごとに2625円が加算されるそうだ。これは、FOMAユーザーの99%は月当たり5ギガバイト以内のデータ通信量で済んでいるという実態に即し、「利用の公平性」という観点から課金に踏み切るという。

 もう1つのXiデータプランは、データプランにねんと違い、2年契約という制限はない。料金は月額の下限が2470円、上限は5ギガバイトで7980円。こちらも、5ギガバイトを超えた場合、2ギガバイトごとに2625円が加算される。

 知らないうちにダウンロードの制限を越え、大金を請求されないよう、ユーザーの希望に応じて、5ギガバイトを超えた場合の通信を停止させたり、利用したデータ量をメールで知らせたりするサービスも行うそうだ。

 一方、KDDI系のUQコミュニケーションズ(以下、UQ)だが、UQ Flatには3種類の料金体系がある。しかし、1日ごとの課金とか、すぐに天井に達してしまう従量課金は現実的ではないので、本稿では定額制の料金体系のみに言及する。その場合、月額 4480円 で、使い放題だ。UQはさらに、「プロトコル規制なし」「通信量制限なし」「帯域規制は一切しない」という。その上、契約年数の縛りもない。両者を比較した場合、料金ではUQ側に利がありそうだ。

スピードはどうか?

 Xiのサービス帯域は現在5Mhzで、将来的には37.5Mbpsを予定していると、ドコモは発表した。これが10Mhz幅を使用すると75Mbpsに達するという。対してUQが公表している数値は、下り最大40Mbps(ベストエフォート)となっている。もちろん、基地局に設置されたアンテナや、信号を処理する機器などの性能にもよるが、信号の統合と分離では、ながらく通信の世界で育まれてきたLTEに一分の利がありそうだ。特に端末が移動している場合、基地局間のハンドオーバーでは、WiMAXの性能は劣るのではないか。この問題を、UQは今後どのように解決していくのか、注視したい。

 ドコモの発表で、おそらくWiMAXを意識した発言だなと感じたのはこの点だ。おそらく、現状ではWiMAXが10Mbps程度しか速度が出ていないことをふまえての発言だろう。とはいえ、現状ではLTEのサービスが開始されておらず、何とでも言える。大事なのは、サービスインした後だ。サービス開始後、ユーザー数が想定以上に増えた場合、イーモバイルの回線同様、帯域制限をかけざるを得なくなるのではと、僕は見ている。

サービスエリアを確認する

 Xiのサービス対象エリアは、東・名・阪の一部地域に限られている(今のところ、東京の主要な山の手線内全域、全国主要都市全域、主要な観光地域などに限られるようだ)。だが「2011年度に全国県庁所在地級都市、2012年度には全国主要都市に広げ、2014年度には3万5000局、人口カバー率で70%超を目指したい」とドコモは明らかにした。

 これに対し、WiMAXは事業開始以来およそ3年半。WiMAX搭載PCやネットブックが登場し、一応の市民権を得た段階だが、サービスエリアに関しては心もとない。2010年8月の同社の発表では、基地局設置数が1万局で、人口カバー率は90%を突破したそうだが、ちょっと僕には“腑に落ちない”ことがある。

 今回の発表で、口頭では「主要な盛り場やターミナル、オフィス街、交通の要衝を中心にカバーする」と言いながら、文書での発表では、人口カバー率70%と発表しており、明らかに齟齬があるのだ。

 僕の私見だが、おそらく最初は、1000から2000程度の基地局数でスタートするのではないかと考えている。もちろん、W-CDMA回線と互換性はあるだろうから、70%という数字は、そちらも加味したものではないか。

 これを機に、両社とも基地局の増強競争に入るとみられる。それにより、大都市部に居住する人々は、来年早々にでもモバイルブロードバンドの恩恵に浴するようになるだろう。

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