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» 2011年02月16日 18時00分 UPDATE

TechNetブロガーの視点:プライベートクラウド、4つの要素における“プロセス制御とワークフロー”

今回はプライベートクラウドにおける「プロセス制御(ワークフロー)」構築のポイントを解説する。「プロセスの完全自動化」が最適解とは限らない。

[高添修(マイクロソフト),ITmedia]

(このコンテンツはTechNet Blog「高添はここにいます」からの転載です。エントリーはこちら。なお、記事内容はすべて筆者の個人的な見解であり、筆者が勤務する企業の立場、戦略、意見等を代表するものではありません)

 先日から、「プライベートクラウドの目的」「プライベートクラウド構築のための4つの要素」について投稿しています。

 あらためて、こちらが4つの要素です。

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 そして前回、4つの要素の内、右の2つ(「プライベートクラウド、4つの要素における“サービス”と“リソースの自動管理”」)について解説しました。

 今回は、左から2番目の「プロセス制御(ワークフロー)」について見ていきましょう。

 まず、「プロセス制御(ワークフロー)」では、

  • 利用者からの要求を受け取って管理者や上司の承認作業へとつなぐヒューマンワークフロー
  • プライベートクラウドに関与する複数のITツールを連動させるITオーケストレーション
  • リソースの種類に応じた自動構成作業を適切に指示するITオートメーション(ITプロセスワークフロー)
  • リソースに応じた課金情報の処理

などを実行することになります。

 プライベートクラウドの4つの要素の内、ITそのものである右側の2つを、この「プロセス制御(ワークフロー)」によってサービスに変換するといっても過言ではありません。

 例えば仮想マシンをサービス化するにしても、仮想マシンを作るところが自動化されるだけでは物足りませんよね?

 できることなら、仮想マシンのテンプレートとなるイメージの管理も定期的に自動化したいでしょうし、定期的にレポートを出力できる仕組みを作っておけば、社内向けの仕事も減るでしょう。

 このように、重要なポイントであるにもかかわらず、ここには自動化を難しくする大きな特徴があります。

 それは何か?

 「プロセス制御(ワークフロー)」の部分は、運用中に変更が発生しやすいのです。

 ヒューマンワークフローの承認ルートがわかりやすい例です。企業内で部署移動が発生しやすい時期には、ワークフローの定義を変更することも多いはずです。

 また、提供するサービスによっては、部署ごとに対応を変えたり、季節によって処理が変わったりすることもあるでしょう。

 ルールを決めていても、例外処理が必要になる場面も出てくるでしょうし、この後、解説するUIやトリガーの部分が変わった時も、プロセスをそれに合わせる必要が出てくるかもしれません。

 「パッと買って来て、簡単に自社の運用にはめよう」と考えるのは難しいかもしれません(もちろん、要求仕様によって大きく変わりますが)。

 ぜひ、この特徴を意識して「プロセス制御(ワークフロー)」を構築してください。

 自社内とはいえ、一から作り上げようと考えているのであれば開発も視野に入れてよいと思います。

 ただ、変更=コーディングというプログラム依存の状況からはできるだけ脱却したいところです。

 よって、この要素にツールを適用するには、パターン変更を意識したものを採用する必要が出てきます。

 ヒューマンワークフローについては、エンドユーザーが自由に設定変更できるツールも多いでしょう。

 ヒューマンワークフローだけで済むわけではないので、ITプロセスワークフローのためのツールを導入するのが理想です。

 プロセスオートメーション、ITオーケストレーション、もしくは RBA(Runbook Automation)などと呼ばれている製品ですね。

 マイクロソフトでいうと、System Center製品のラインアップに名を連ねるOpalisというツールが該当します。

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 運用中の変更が発生しやすいこの要素をどう実現するか?

 仮想化をサービスにするだけでしたら管理ツールなどが持つ機能を最大限生かすことができるでしょう(マイクロソフト製品ならSCVMM+Self-Service Portal 2.0など)。

 プロセスの自動化ツール、そしてヒューマンワークフローなどの一部は自社内の運用に合わせた独自プログラムで運用するという形に落ち着くことが多いかもしれませんね(マイクロソフト製品ならOpalisやDynamic Data Center Toolkit for Hosters、.NET Framework標準のワークフローエンジンWindows Workflow Foundationを使ったプログラムの活用など)。

 そして、4つの要素の中の「管理基盤(自動処理)」と自動的に連動できれば、リソース管理の自動化よりも上流からの自動化が果たせる可能性も出てきます。

 いきなりツールの話をしてしまいましたが、IT化することがゴールではなく正しいプロセスによって運用することがゴールであるということも覚えておきましょう。

 プライベートクラウドの「完全自動」を目指せばコスト高になる可能性もあり、逆に「半自動で良い」という決断さえすれば人によってある程度カバーできるものがあります。

 すべてを自動化するためにコスト高になるくらいなら、一部は人手で対応したり、手作りスクリプトでカバーしたりすることもあり得ると考えています。

 コストとサービスのバランスが、プライベートクラウドの重要なポイントですから。

 ということで、まずはプライベートクラウドにおけるプロセスについて社内できちんと議論し、整理できるものは整理した上で、正しいツールを選択していただければと思います。

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