クラウドを活用した医療用データホスティング事業で提携、GEヘルスケアとソフトバンクテレコム医療IT事業

GEヘルスケアとソフトバンクテレコムが医療IT事業で提携した。ヘルスケア企業と通信会社が共同でデータホスティング事業を行うのは国内初。

» 2011年03月01日 20時13分 公開
[谷古宇浩司,ITmedia]

 GEヘルスケア・ジャパンとソフトバンクテレコムは3月1日、医療用画像のデータホスティング事業を共同で展開すると発表した。9月1日にサービスを開始する。ヘルスケア企業と通信会社が共同でデータホスティング事業を行うのは国内で初めて。

 このデータホスティング事業は、「コンピュータ断層撮影装置」(CT)や「磁気共鳴断層撮影装置」(MRI)で撮影した医療画像を「医療画像管理システム」(PACS)で保管する医療機関に対し、データセンターを活用した院外保存サービスを提供するもの。

 GEヘルスケア・ジャパンはホスティングされる医療画像の管理ソフトウェアや医療画像保存に関する運用業務を提供し、ソフトバンクテレコムはデータセンター設備、ストレージやサーバ、回線などのインフラを提供する。

 医療画像の保管はプライマリーデータセンターと遠隔地に設置されたバックアップ用のデータセンターによって二重化される。両社ではホスティングサービスの提供による直接的なメリットとして「運用の低コスト化」や「災害復旧対策体制の強化」を挙げる。

 なお、GEヘルスケア・ジャパンのPACSは2ティア型と呼ばれ、「短期ストレージ」(撮影から3年以内の画像を保管)と「長期アーカイバー」(撮影から3年を超える画像を保管)の2層構造という特徴がある。この2層構造型PACSにより、迅速な読影・参照や冗長性の高い災害対策が可能となる。

 従来、医療機関は最低5年分の医療画像データを自施設内に設置したサーバに保存しなければならなかったが、2010年2月に一部の規制が緩和され、一定の条件下においては医療画像の外部保管が可能となった。同データホスティング事業の展開を皮切りに、両社は遠隔医療の支援サービス提供など、長期的な視野に立った医療ソリューションの開発・提供を行っていく予定。まずは本データホスティング事業で、3年後に年間10億円の売上規模を目指す。

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