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» 2011年06月09日 15時42分 UPDATE

HP DISCOVER 2011 Report:「シスコより優れている」 ネットワーク市場での覇権を目指すHP

ラスベガスで開催中のHP DISCOVER 2011では、ドナテッリ上級副社長がシスコに対する対抗意識もあらわに、製品比較をしてみせた。また、Itaniumプロセッサの継続についてもコミットメントが表明された。

[吉村哲樹,ITmedia]
dave.jpg HP 上級副社長のデイブ・ドナテッリ氏

 HP DISCOVER 2011も2日目を迎え、早朝からのセッションでは、米ヒューレット・パッカード(HP)のネットワーク製品、サーバ製品、ストレージ製品、そしてアプライアンス製品、それぞれにおいて新製品と新たな製品戦略の発表が行われた。まずはHPのネットワーク製品が持つ強みについて、同社 上級副社長 エンタープライズサーバ部門 ストレージ・ネットワーク部門 エンタープライズビジネス部門 ゼネラルマネジャーのデイブ・ドナテッリ氏は次のように語る。

 「HPのFlexNetworkアーキテクチャに基づくネットワーク製品群は、そのオープン性や優れたスケーラビリティ、強固なセキュリティなどを武器にネットワーク市場に大きなインパクトを与えつつある。今やHPのネットワーク製品は、小規模なブランチオフィスから大規模データセンターに至るまで、あらゆる規模のネットワークにおけるニーズに応えられる製品ラインアップをそろえている」

 中でも、特に4つの新製品について紹介が行われた。1つが、同社のシャーシ型コアスイッチ「Aシリーズ」の新ラインアップ、「HP A10500 Switch シリーズ」である。大規模・中規模ネットワーク向けのコアスイッチ製品として、「A10504」「A10508」「A10508V」の3製品を新たにラインアップする。ドナテッリ氏は、これらの製品がシスコの製品と比較して性能に優れることを強調する。

 「これらの新製品は、Cisco Catalyst 6509と比較した場合、75%低いレイテンシと2.5倍のパフォーマンスを誇る」(ドナテッリ氏)

hp1.jpg HPによる、シスコ製品との比較

 また、シャーシ型コアスイッチ製品「Eシリーズ」に最近加わったばかりの「E8200zl」「E5400zl」についての紹介も行われた。さらには、無線LANアクセスポイント「Eシリーズ」の新製品「E-MSM430」「E-MSM460」「E-MSM466」、不正侵入防御システム(IPS)の新製品「HP TippingPoint S6100N」の紹介も行われた。ドナテッリ氏によれば、これらの製品に関してもシスコ製品と比べた場合にパフォーマンスやオープン性などの面で、多くの優位点があるという。

 さらに、同社がネットワーク関連でひときわ力を入れているのが、ネットワーク管理ソフトウェアの分野だ。シスコの製品であれば30のアプリケーションを使い分けなければいけないところを、HPのネットワーク管理ソフトウェア「HP Intelligent Management Center 5」であれば、1つの製品ですべてをまかなうことができるという。また、HP製のネットワーク機器だけでなく、他社製品が混在した環境でも、ネットワークを管理可能だという。

Itanium搭載ハイエンドサーバの強化を継続

 サーバ製品に関しては、まず同社製のUNIX OS「HP-UX」を搭載した高性能UNIXサーバ「HP Integrity Superdome」の新製品、「HP Integrity Superdome 2」の紹介が行われた。従来の製品に比べ、4.5倍の信頼性と2倍のスケーラビリティを実現しているという。

 また、同製品ではインテルItaniumプロセッサが採用されているが、HPでは今後も次世代Itaniumに対するコミットメントを継続していくことが発表された。

hp2.jpg Itaniumプロセッサを継続するコミットメント

 同じくインテルItaniumプロセッサーを搭載する同社のミッションクリティカルシステム向けサーバ「HP Integrity NonStopサーバ」の新製品も発表された。CPUのクアッドコア化により大幅な性能向上を果たしつつも、TCOの35%削減が実現されているという。

ストレージ製品のマッピングと新たなブランディング

 HPが擁する広範なハードウェア製品の中で、ラインアップが最も大きく変わったのがストレージ製品であろう。同社はここ数年間で、3PARをはじめとするストレージベンダーの買収戦略を進め、ストレージ製品のポートフォリオを急速に拡大させてきた。本イベントではこれら製品の位置付けがあらためて示されるとともに、今後はこれまで使ってきた「StorageWorks」というブランド名に代わって、同社が掲げるインフラソリューション戦略「Converged Infrastructure」の一部を担う「Converged Storage」として、あらためてブランディングされる予定だという。

 その中で3PAR製品は、高い俊敏性や運用管理の効率性、マルチテナント機能などを生かして、クラウドコンピューティングのデータインフラを担う「Utility Storage」として位置付けられることになる。

 また、旧IBRIXの技術を応用したストレージ新製品「X9000 IBRIX」の紹介も行われ、こちらはIBRIXのファイルシステム技術を生かした「スケールアウト型NAS」として位置付けられる。これも、クラウド環境のデータインフラにおいては重要な役割を担うという。

 さらに、これもHPが2008年に買収した米Lefthandの技術を活用した「P4000 LEFTHAND」は、クラウドのデータインフラの中の「iSCSI SAN」としての機能を果たす。

hp3.jpg HPのストレージ製品ポートフォリオ

 同セッションでは、ポートフォリオに新たに加わったこれら製品に加えて、これまで同社が独自に開発してきたディスクアレイ製品「EVA」の機能強化についても紹介が行われた。

 「EVAの第5世代となる『P6000 EVA』では、プロビジョニング機能やLUNの動的なマイグレーション機能などが強化されたとともに、ラック集積度や消費電力効率も大幅に向上している」(ドナテッリ氏)

クラウドインフラ構築・管理のためのアプライアンス製品

hp4.jpg HP CloudSystem

 HPが近年特に力を入れているのが、アプライアンス製品のビジネスだ。同社は2009年6月、Converged Infrastructureを担うアプライアンス製品として「HP BladeSystem Matrix」を発表しているが、今回のイベントでは新たに「HP VirtualSystem」「HP AppSystem」「HP CloudSystem」という3つのアプライアンス製品の紹介が行われた。

 HP VirtualSystemは、サーバ仮想化技術およびクライアント仮想化技術を駆使した仮想環境の構築と運用を効率的に行うことを可能にするアプライアンス製品。HPのブレードサーバ製品「BladeSystem」とストレージ製品「3PAR/P4000」、さらにネットワーク仮想化製品「Virtual Connect」を仮想化環境に最適化した形で1つのラックに収納し、さらにVMware、マイクロソフト、Citrixそれぞれが提供する仮想化ソフトウェアの中から好きなものを選んで利用できるようにしている。

 一方のHP AppSystemは、マイクロソフトやオラクルといったアプリケーションベンダーが提供するデータベースやBI、コラボレーションツールアプリケーションの実行に最適化した形でハードウェアを構成し、アプライアンスとして提供するものだ。

 しかし、最も注目すべきはHP CloudSystemだろう。これは、HP BladeSystem Matrixを、クラウドインフラの構築に最適化した形で進化させたものだといえる。クラウド環境における各種のハードウェア/ソフトウェアリソースをサービスカタログに登録し、その組み合わせを一元的に管理することで、クラウド環境のインフラ管理を大幅に簡素化するという。

 本イベントを通じて、多くのセッションでHP CloudSystemについて言及されているのが目立った。HPのクラウド戦略の中核を担うソリューションの1つとして、積極的に展開しようという同社の意図がうかがえる。

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