Apple決算、過去最高の増収増益 “iPhone待ち”でアナリスト予測は下回る

iPadとMacの販売台数は過去最高を更新したが、iPhoneは新型を待つ買い控えの影響で減速した。10月4日発売の「iPhone 4S」は3日で400万台売れた。

» 2011年10月19日 07時41分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Appleが10月18日(現地時間)に発表した2011年第4四半期(7〜9月期)決算は、iPadとMacが過去最高の販売台数で、四半期ベースで過去最高の売上高、純利益となった。だが、iPhoneの販売台数は、10月4日の「iPhone 4S」の発売を前に買い控えられて伸びなかった。

売上高が前年同期比39%増の282億7000万ドル、純利益は同54%増の66億2300万ドル(1株当たり7.05ドル)。同社が前期に発表した見通し(売上高が約250億ドル、1株当たり純利益が5.50ドル程度)は上回ったが、Thomson Reutersがまとめたアナリスト予測(売上高が295億ドル、利益が1株当たり7.31ドル)には届かなかった。粗利率は40.3%と前年同期の36.9%を上回った。

 iPhoneの販売台数は前年同期比21%増の1707万台で売上高は109億8000万ドル。新製品を待つ買い控えにより、前期より約300万台販売台数が落ちた。10月4日に発売されたiPhone 4Sは、発売後3日で400万台売れている。

 iPadの販売台数は前期比166%増の1112万台で、売上高は68億6800万ドルだった。Macの販売台数は489万台で、前年同期比では26%増、売上高は62億7200万ドルだった。MacBookシリーズの売り上げが好調だった。

 iPodの販売台数は27%減の662万台で売上高は11億300万ドル。iTunes StoreやiPod関連サービスでの売り上げは35%増の16億7800万ドルだった。App Storeに登録されたアプリ数は50万件。

 売上高を地域別で見ると、アメリカが34%増の96億4800万ドル、欧州が36%増の73億9700万ドル、日本は21%減の11億1100万ドル、アジア太平洋地域が139%増の65億3000万ドル、直営店経由が1%増の35億8400万ドルだった。ピーター・オッペンハイマーCFO(最高財務責任者)は業績発表後の記者会見で、日本での売り上げ減少の原因はiPhoneの買い控えだと説明した。

 2011年通年では、売上高が前年比66%増の1082億4900万ドル、純利益は85%増の259億2200万ドルだった。

 ティム・クックCEOは発表文で「2011年度を非常に力強く完了でき、興奮している。iPhone 4Sへの顧客の反応は素晴らしく、このまま好調なホリデーシーズンを迎えるだろう。われわれは引き続き製品パイプラインに取り組んでいく」と語った。

 10〜12月期の見通しについては、売上高を約370億ドル、1株当たり純利益を9.30ドル程度と予測した。

 クックCEOは業績発表後の電話会見の冒頭で、「これは、スティーブ・ジョブズ氏が亡くなってから初めての業績発表になる。同氏の精神は永遠にAppleの基本となるだろう。われわれは同氏が愛してやまなかった素晴らしい仕事を続けていくつもりだ」と語った。電話会見では、第4四半期中の「OS X Lion」のダウンロード数が600万本だったこと、iTunes Storeの売り上げが過去最高の15億ドルだったことなどが発表された。楽曲は160億曲、テレビ番組は6億5000万本ダウンロードされ、iBookstoreでは1億8000万冊が売れたという。

変更履歴:本文中、iPhoneの販売台数が間違っておりました。お詫びして訂正いたします。[2011/10/19 9:34]

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