「サイバーセキュリティはミサイル防衛より重要」の認識も――世界サイバー防衛報告書

McAfeeが世界のサイバー防衛に関する専門家の意識調査結果を発表。日本を含む23カ国のサイバー防衛態勢を星の数で評価した。

» 2012年01月31日 07時35分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 米セキュリティ企業のMcAfeeとベルギーのシンクタンクSecurity & Defence Agenda(SDA)は1月30日、サイバー防衛に関する世界の専門家の意識調査結果を発表した。各国のサイバー防衛態勢を5つ星で評価し、防衛強化のために必要な対策を提言している。

 調査はMcAfeeの委託を受けたSDAが、27カ国の政策立案者およびサイバーセキュリティ専門家80人と、35カ国の指導者250人を対象に聞き取りを行った。

 その結果、回答者の57%が「サイバースペースで軍拡競争が発生している」との認識を示し、「ミサイル防衛よりもサイバーセキュリティの方が重要」との回答は36%、「サイバーセキュリティは国境警備に匹敵する重要性を持つ」は45%に上った。経済的損失を伴うサイバー攻撃の脅威としては、43%が「重要インフラの破壊」を筆頭に挙げた

 主要23カ国のサイバー防衛態勢を星の数で評価したランキングでは、フィンランド、イスラエル、スウェーデンの3カ国が4つ星半でトップに立ち、次いで英仏独や米国など8カ国が4つ星、日本はオーストラリア、オーストリア、カナダと並んで3つ星半だった。

 世界のサイバー防衛強化のために必要な対策としては、グローバルなリアルタイムの情報共有、国境を越えたサイバー犯罪摘発に向けた捜査機関の権限強化などを提言している。

国別の評価状況(出典:SDA、McAfee)

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