Google、Android Marketにマルウェア対策機能「Bouncer」を追加

公式アプリストアに自動スキャン機能「Bouncer」を追加してから、マルウェアのダウンロード数は激減したとGoogleは主張する。

» 2012年02月03日 07時30分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Googleは2月2日(現地時間)、モバイルアプリストアAndroid Marketからマルウェアを閉め出すための自動スキャン機能「Bouncer(コードネーム)」を発表した。この機能は既に稼働しているという。

 Bouncerは、Android Marketに新規にアップロードされるものだけでなく、既に公開されているアプリと開発者のアカウントを自動的に分析し、マルウェアの疑いのあるアプリを発見する。自動的なプロセスのため、ユーザー体験を損なったり、面倒な承認プロセスで開発者に負担を掛けることはないとしている。

 Android Marketには米AppleがApp Storeへの登録で義務付けているような厳格な承認プロセスがないため、これまで何度も不正アプリが流通して問題になっていた。

 Bouncerは、例えば新しいアプリの場合、アップロードの段階で、そのアプリが既知のマルウェア、スパイウェア、トロイの木馬かどうかを分析する。また、Googleのクラウド上で、端末での稼働をシミュレートすることで隠れている可能性のある危険な挙動を調べる。悪意ある開発者が登録・再登録しないよう、アカウントも分析する。

 発表文にはBouncerで発見したマルウェアにどう対処するのかは書かれていないが、米CNETによると、Bouncerがマルウェアと判断したアプリはその後人間が再確認し、ブロックするという。既知のマルウェアの場合は、アップロードの段階でブロックし、アップロードもされない。

 Googleはしばらく前からBouncerを開始しており、2011年の前期から後期にかけてマルウェアのダウンロード数が40%減ったとしている。同社は、完全なセキュリティアプローチなどというものはないが、監視機能を追加することは大きな改善だと主張している。

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