セキュリティ人材を育成する「セキュリティ・キャンプ実施協議会」が設立

IPAや経済産業省が実施してきた「セキュリティ・キャンプ」を、官民連携による人材育成の場として、実施体制を強化する。

» 2012年02月22日 14時08分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 経済産業省と情報処理推進機構(IPA)は2月22日、セキュリティ人材を育成するための官民連携組織「セキュリティ・キャンプ実施協議会」の設立を発表した。26の企業や組織が参画し、若年層のITセキュリティ人材を育成する場として実施体制を強化する。

IPAの藤江理事長

 セキュリティ・キャンプは22歳以下の学生が対象に、国内トップクラスのセキュリティ技術者や企業関係者を講師に招いて、夏休みなどに数日間にわたって実施している。参加者は宿泊をともにしながら高度なコンピュータセキュリティ技術やコミュニケーション能力などを習得し、人材交流を深める。のべ360人ほどが参加した。

 これまでのキャンプは経産省とIPAが主体となって実施してきたが、セキュリティ人材のすそ野を広げる目的で、新たに国内外の企業や民間組織も参加する実施体制とした。会見したIPAの藤江一正理事長は、「ITセキュリティはこれまで興味のある人が携わるという印象が強かったように思う。だが2011年に企業に対する標的型攻撃などが注目を集め、一般的になった。日本のセキュリティを担う人材をより輩出したい」を語った。

セキュリティ・キャンプ実施協議会の西本会長

 協議会の西本逸郎会長(ラック取締役最高技術責任者)は、「技術だけでなく社会性や人脈などを総合的に学べる場として、地方とも連携しながら多くの若者が参加できるようにしたい。セキュリティのプロフェッショナルとして企業や政府・官公庁、研究開発など活躍できることはもとより、セキュリティをキーワードにキャリアを築いていける優秀な若者を育てたい」と述べた。

 2012年のキャンプの実施など詳細な活動計画は今後詰めていく。また企業の協議会参加も呼びかけていくとしている。協議会に参加するのは、伊藤忠テクノソリューションズ、インテリジェント ウェイブ、SCSK、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ、オービックビジネスコンサルタント、グーグル、Comp TIA、サイバーエージェント、サイボウズ、シマンテック、ソニー、トレンドマイクロ、日本情報システム・ユーザー協会、NEC、野村総研、日立製作所、富士通エフ・アイ・ピー、フューチャーアーキテクト、マカフィー、ミクシィ、三菱総研、三菱電機、楽天、ラック。

セキュリティ・キャンプの実施イメージ

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