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» 2012年07月12日 16時57分 UPDATE

EMCがデータの重複排除製品群を刷新 企業ユーザーのテープ脱却を促す

大規模環境向け「Data Domain」および中小環境向け「Avamar」それぞれで新製品を発売。両ブランドの製品統合も一歩進んだ。

[國谷武史,ITmedia]

 EMCジャパンは7月12日、データの重複排除機能を搭載するバックアップ/リカバリアプライアンスの新製品「EMC Data Domain DD990」と「EMC Avamar 6.1」を発表した。それぞれ同日からパートナー経由での販売を開始している。

 Data Domain DD990では既存製品に比べてバックアップの処理性能を2倍に、容量を約5倍(最大有効容量570テラバイト、長期保存では1.3ペタバイト)に高めた。バックアップサーバ側で重複排除を分散処理することで処理時間を短縮する「DD Boost」機能を使用した場合、最大転送速度が毎時31テラバイトに向上する。同機能では同社のGreenplumやOracle、Quest vRanger Proが新たにサポートされ、大規模データの保護が可能になるという。

tkemc01.jpg Data Domain DD990(左)とEMC Avamar 6.1

 またデータの長期保存できる「Data Domain Extend Retention」というソフトウェアも提供する。既存製品のDD860でも使用でき、DD990とDD860を併用して最大65ペタバイトのデータを長期保存が可能。仮想テープライブラリ環境にも対応しており、ユーザー企業がデータの長期保存を求める業界規制などに対応できるよう支援する。

 一方、EMC Avamar 6.1ではバックアップおよびリカバリの処理性能を大幅に向上させたほか、仮想マシンのバックアップ向けにシンプロビジョニングへの対応やWindows ServerのHyper-Vへのサポートを行っている。またエンタ―プライズアプリケーションへの対応も強化し、SAPやSybase、SQL Server 2012をサポートした。

 Data DomainおよびAvamarはともに重複排除やバックアップ/リカバリを行う製品だが、同社ではData Domainを大規模環境のミッションクリティカル向け、Avamarを仮想サーバやクライアントマシン向けとしてそれぞれ展開してきた。製品説明を行った米EMC バックアップ・リカバリ・システム部門最高技術責任者のウィンザー・スー氏は、「Data DomainとAvamarの統合を目指しており、新製品ではそれが一歩進んだ」を語る。

 具体的には、Avamar 6.1からDD Boostの多重バックアップが使用できるようになり、処理速度が最高で4倍に高速化するという。対象システムに応じてそれぞれの製品を利用しつつも、バックアップ/リカバリ作業を一元的にできるようにする方針だ。

tkemc02.jpg 基幹業務システムはData Domain、クライアントはAvamarでバックアップするという構図を描く

 製品価格はData Domain DD990が個別見積り、Avamar 6.1が有効容量1.6テラバイトの最小構成で358万5000円(税別)からとなる。

テープ依存度が高い日本

 同社は新製品と併せ、アジア太平洋地区の企業2500社(日本は250社)からヒアリングしたバックアップに関する調査結果も発表。米EMC プロダクトマーケティング・ディレクターのシェーン・ムーア氏が、日本企業と全体平均との差異を取り上げて解説した。

 それによれば、システムやデータを障害から全面的に復旧できると答えた企業は、日本が11%だったのに対し、平均は19%(復旧できる自信度を5段階で回答し、最も自信があると答えた割合)。災害復旧のためにリモートサイトにデータを複製している企業はともに約8割だが、「国内の自社拠点」との回答は日本が68%、平均は55%だった。

tkemc03.jpg EMCの調査では日本は業界などの規制で国内にデータをバックアップし、その手段は「慣れたテープで」という実態があるようだ

 複製データの格納先は、ディスクベースのシステムがともに6割強で最多を占めた。テープメディアは日本が58%、他国平均が44%だった。テープメディアへのバックアップについては、「やめたいし、検討している」という回答が日本で28%、他国平均で47%、「やめたいが具体化していない」は日本が40%、他国平均が37%、「やめたいとは思わない」が日本で32%、他国平均で17%だった。

 ムーア氏は、「ディスク環境へのバックアップが進んでいるが、日本は今なおテープが少なくないことが分かった。テープから卒業したいという企業もそれなりにあるが、方法の点で進んでいないようだ」と述べた。EMCジャパン BRS事業部長の遠井雅和氏は、「テープシステムからディスクベースのAvamarに切り替えた国内の医療機関では処理時間が16時間から40分に短縮された」とユーザー事例を挙げ、同社製品の利用メリットを強調した。

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